第2話 化粧水

Side:健太郎


 獲得!

 PV18と☆15個!


 まあ、最初だからこんな物。


 パンパカパーン!

 スタートガチャの結果発表。

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https://kakuyomu.jp/users/455834/news/16818093089448890934

 大当たりじゃ。

 技能供与スキルの便利さに驚くが良い。

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 驚くが良いって、スキルが日本で何の役に立つんだ。

 まあ、貰っておくけど。


 コメントは5つ。

 最下級回復ポーションを買って化粧水にすべしと。


 最下級回復ポーション、10リワード、ぽちっとな。

 1本しか買えないから、薄めて使うしかないな。

 容器は、スプレーボトルの100ミリリットル入りがあったからこれだな。

 これは、サボテンの水やりに使ってた奴だ。

 サボテンはとうの昔に飽きて捨ててしまった。

 スプレーボトルだけが残ったというわけだ。


 鍋に1リットルの水を入れて、最下級回復ポーションを混ぜる。

 スプレーボトルに詰めて完成だ。

 これが売れないと、スプレーボトルの容器が買えない。

 さあ、レッツセールス。

 その前に、小道具を作るか。


 まずは表札。

 コピー用紙に、輸入雑貨店異世界堂と印字した。

 それを扉に張った。


 名刺も紙があったから印字。

 チラシを30枚ぐらい作って終わりだ。

 チラシと名刺には電話番号とメールアドレスなどを書いた。


 さて、大家の田島さんだな。

 気の良いおばちゃんだから、話を聞いてくれるはずだ。

 その前に化粧水の出来を確かめないと。

 腕を出して、シュッシュッと霧を吹きかける。

 触ってみた。

 モチモチしている。

 温泉に入ったみたいだ。

 俺は冬になると唇が荒れるので、唇にも吹きかけた。

 唇がツヤツヤしているのが、触っただけでわかる。


 ポーションは即効性があるからな。

 肌荒れなんか一瞬で治る。


 品質は上々だ。


 田島さんの家はマンション近くにある。

 インターホンを押すと、はーいと元気な声が掛った。


「金子です」

「あら、家賃の相談? もしかして引っ越すの? それとも備え付けのエアコンが壊れた?」

「いいえ、商売を始めようと思って、買って欲しいんです」


 化粧水を見せた。


「えっと、何かしら?」

「化粧水です。試しに使ってみてくれませんか。気に入るに違いないですから」

「試すだけなら」


 化粧水をシュッシュッと手に使う。

 台所仕事をするからか肌は荒れている。


 その肌がツルツルになったのが分かる。


「どうです?」

「これ良いわね」

「顔に使っても良いですよ」

「買いたいわ。おいくらかしら?」

「1000円です」


 やった!

 売れた!


 1000円を握り締め、100均に向かう。

 スプレーボトルを9個買った。

 990円なり。


 9個売れば、9000円だ。

 意を決して隣組長の冴島さん宅へ向かう。

 インターホンを押す。


「はーい、どなた?」

「金子です」


 玄関の扉がガラガラと開いた。


「何の御用ですか?」

「自営業を始めることになりまして、挨拶と商品のご案内に参りました」

「セールスはお断りよ。いくらご近所さんでもね」

「そう言わずに。田島さんも気に入ってお買い上げ頂きました。試して気に入らなければお代は要りません」

「田島さんがねぇ」


 商品の名前を考えてなかった。

 あれにしよう。


「化粧水、キュアウォーターです」

「使ってみるだけなら。お待ちになってね」


 冴島さんはいきなり顔に使うみたいだ。

 度胸があるな。


 そして、しばらくして現れた。


「どうですか」

「これ凄い。もう、化粧のノリが違うことと言ったら。高いの?」

「1本1000円です」

「あるだけ全部買うわ」


 1本は残しておこう。

 サンプルも必要だからな。


 キュアウォーターとチラシ全部を冴島さんに渡した。


「宣伝よろしくお願いします」

「期待して良いわよ。これでも顔が広いから」


 8000円の儲けだ。

 日当、8000円は悪くない。


 だけど、節約しないと。

 パン屋で1袋100円のパンの耳を買った。

 今日はこれで過ごす。

 マヨネーズとインスタントコーヒーがあるから、それにつけたら美味いだろう。


Side:知恵


 私は知恵。

 小学5年生。

 お母さんと二人暮らし。

 お母さんは朝から晩まで働いている。

 お母さんの化粧台を見る。

 化粧品は一つもない。


 なんか寂しいな。

 お母さん美人なのに。


 回覧板が回って来たので、内容を読んで関係なさそうだったので、隣組長の所に持って行く。


「回覧板、お願いします」

「ご苦労様。ちょっと待って」


 冴島さんの奥さんに呼び止められた。


「何ですか?」

「凄い化粧水が手に入ったのよ。どう使ってみる」


 私はまだお化粧する年ではないけど、化粧品には興味がある。


「お願いします」

「目をつぶって。行くわよ」


 霧を布に吹きかけてから、優しく拭われた。

 肌がすべすべしてモチモチする。

 鏡を出されたので見ると、えっこれが私っていうくらい変化してた。


「凄い。これをお母さんが使ったらな」

「チラシを持って行く?」

「はい」


 チラシに書かれた店は近所のマンションだった。

 お小遣いを全て持って、店に行く。

 店は、コピー用紙を張り付けただけの怪しい店だった。

 インターホンを鳴らす。


 ドアが開いた。


「ええと、お祭りの時に見た顔だったな。ええと」

「知恵です」

「何の用?」

「化粧水が欲しくて。これで足りますか?」


 お金は368円。


「うーん、どうしよう。まあ良いか。お試し価格っていうことで。次は1000円頂くから」

「ありがとう」

「今日の最後ひとつだから」

「うん」


 家に帰るとお母さんが夕飯の支度をしてた。

 夕飯が終わるとお母さんは夜の仕事に行く。

 夜の仕事は皿洗い。

 お母さんの肌は荒れてガサガサになっている。


「お母さん、プレゼント。化粧水だって。これは凄いの。ツルツル、モチモチなんだから」

「そうなの。高かったんじゃない」

「お試し価格で安くしてもらった」


 夕飯が終わり、お母さんが化粧水を手に取った。


「使ってみようかしら」


 化粧台に座るお母さん。

 化粧水を使いみるみる美人になるお母さん。


「お母さん美人」

「凄い効果ね」

「お母さん大好き。これからは私がその化粧水を買ってきてあげる」


 嬉しくなって抱き付いてそう言うと優しく頭を撫でられた。

――――――――――――――――――――――――

今回のスキルと☆:

 獲得スキル、技能供与スキル

 ☆残り15個


今回の収支リワード:

 収入

 18リワード


 支出

 最下級回復ポーション、10リワード


 残金

 8リワード


今回の収支¥:

 収入

 キュアウォーター10本、9368円


 支出

 スプレーボトル9個、990円

 パンの耳、100円


 残金

 8278円


銀のたわし:0個


次の分岐:


 悪霊退治、どこで?


 ①交通事故現場

 ②知恵の家

 ③主人公の肩


 コメントでどれが良いか書いて下さい。

 11/30日の午後2時締切です。

 同数は作者の都合で決めます。


下一桁スタートガチャ:

 現代ファンタジーの週間ランキングの下一桁でガチャを回します。

 一日のガチャ権利が2個になったら、二桁目で。

 権利が3個と4個の場合、月間ランキングで、それ以上は年間と、累計で。


♡10毎にノーマルガチャ:あと♡2個

 ⓪ 銀のたわし

 ① 銀のたわし

 ② トイレットペーパー

 ③ 10000リワード

 ④ 1000リワード

 ⑤ 100リワード

 ⑥ 10リワード

 ⑦ 技能供与スキル

 ⑧ 王打スキル

 ⑨ 転倒スキル

☆100毎にスーパーガチャ:あと☆85個

 ⓪ 超身体強化

 ① 残機

 ② 幸運

 ③ 強奪

 ④ 竜化

 ⑤ 毎回リワード+10

 ⑥ 言霊

 ⑦ 再挑戦

 ⑧ 霧化

 ⑨ 十秒無敵

PV1000毎にリワード倍増ガチャ:あと982PV

 ⓪ 銀のたわし

 ① リワード獲得1.1倍

 ② リワード獲得1.2倍

 ③ リワード獲得1.5倍

 ④ リワード獲得2倍

 ⑤ リワード獲得5倍

 ⑥ リワード獲得10倍

 ⑦ リワード獲得100倍

 ⑧ トイレットペーパー

 ⑨ 銀のたわし

 ランキングのスクショ撮って、近況ノートにあげます。


かなり未来の分岐:


 48話までに10万円が貯まらないと家賃光熱費が払えなくなる。


名前:金子・健太郎

レベル:1

魔力:5/5

スキル:

 [ ]カクカクⓘ

 水生成ⓘ

 点火ⓘ

 乾燥ⓘ

 送風ⓘ

 照明ⓘ

 殺菌ⓘ

 擬死ⓘ

 方位ⓘ

 加熱ⓘ

 弱回復ⓘ

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