第3話


第3話: **「時間の使者」**


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村を後にし、リリィとカイと共にイリスを探す旅が始まった。空には二つの月がまだ輝いており、沈んでいく太陽の色が幻想的な朱色に変わっていく。歩を進めるたびに、心の中に溢れる期待感が高まっていった。


「イリスの場所は分かるの?」僕はリリィに尋ねた。


「彼女はいつも時間の流れに寄り添っているから、彼女の気配を感じる場所へ行くのが一番です。」リリィは、しっかりとした声で答えた。


森を抜けて、少し行くと、目の前に不思議な現象が広がった。静かな湖の水面が、まるで時を巻き戻すように波打っている。そこにいるのは、長い髪を持ち、優雅な雰囲気を纏った女性、イリスだった。


「私を呼んだのは、リリィとカイ、そして新しい仲間、アオリですね。」イリスの声は、柔らかくも力強い響きがあった。


「イリス、私たちの冒険を支えてほしいです! 危機が迫っています。」リリィが頼んだ。


「分かっています。この場所の時の流れは、不安定ですから。」イリスは湖の水面を見つめながら言った。「私の力で、どのように進むべきかを示しましょう。」


イリスが手をかざすと、湖の水面が様々な光を放ち始めた。まるで未来のビジョンが映し出されているかのようだった。その中に、僕たちが直面するであろう困難な試練や、仲間たちとの絆が映る。


「これが、私の力です。この水面と共鳴することで、未来の流れを掴むことができるのです。」イリスが説明する。


「どうやって進めばいいか、具体的に示してくれるの?」カイが興味津々に尋ねた。


「まずは、古の遺跡に向かいましょう。そこには、私たちの力を高める秘宝が眠っているはずです。」イリスの言葉には確信があった。


「秘宝?」僕は思わず声をあげた。「それを手に入れることで、僕たちの力が強くなるかもしれない?」


「はい、その通りです。しかし、遺跡には闇の使者たちがいます。彼らを乗り越えなければなりません。」イリスが真剣な表情で答えた。


「でも、僕たちには仲間がいるから大丈夫だよね。」僕は自分に言い聞かせるように言った。


「そう、仲間がいるからこそ、強くなれるのです。」リリィが微笑みを浮かべた。


「さあ、準備はいいか?時間の星の使者が導いてくれるから、何が起こっても、私たちが一緒なら乗り越えられる。」カイが拳を握りしめると、周囲の空気が一層引き締まった。


僕たちは湖を後にし、古の遺跡へと進むことに決めた。心の中には不安もあったが、仲間たちと共に進む力が、僕を後押ししてくれた。


次第に道は険しくなり、森の奥深くへと進んでいく。闇の使者たちの影がちらつく中、僕たちの信念が揺らぐことはなかった。仲間の絆を感じることで、どんな危険にも立ち向かう勇気が湧いてきた。


これからどんな試練が待ち受けていようとも、僕たちは共に歩み続ける。星の使者としての運命を果たすため、進むべき道を見極め、希望を胸に抱いて。


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