第13巻 悲劇の三角関係
長編小説
悲劇の三角関係
第13巻
女はある男と結婚していた、その男はとても誠実であり、とても紳士であった、だが女は満たされなかった、最初は満たされていた、しかしそれは本当の意味で満たされている訳ではなかった。女は自分の嫌な部分があるのを知っていた、女はそれが嫌いだった、それはいつも夫に牙を向き、自分に牙を向く。だが時間とはすごいものだ、お互いにお互いのことがわかり、安定の時が来た。それは悲しいことでもあり、嬉しいことでもある、女は今を生きている、だが今に満足できなかった。昔は色々な人生を生きた、色々な人に迷惑をかけた、女は時々昔のことを思いだす。いや誰かが昔のことを思い出させる。女は好きなことを好きだといい、嫌いなことを嫌いと言い、したくないことはしない、したいことはする。女はそんな人であったから、色々な不幸に見舞われた、いやそれが一番いいことなのかもしれない。だが女は察したこんな人生ではダメだと、女は心を閉じた、誰にも開くことのない思いを心の奥底に隠した。女はその日から何か満足できなかった。女は毎日が嫌になった、それは心を閉ざしたからだろうか?前みたいに心を開けばいい未来になるのだろうか、女はわからなかった、昔のことがありもう心を開くことを躊躇い、躊躇した。女の前に1人の男が現れた、その男はいつも自分を笑わせ、時には泣かせ、色々な感情を引き出してきた、女は気づいたら感情豊かになっていた、しかし女はまた昔のことを思い出した。嫌な思い出を思い出した。だから女は今も心を開くことはない、だがしかし女は葛藤した、その男のせいで女は心を揺さぶられる。それは本当に不快であり、そう不快であった。だが心の奥底でそれは喜んでいる。だが女は決して心は開かなかった。だがその男といるといつも自分が自分でなくなってしまう。それは永遠ではないと知っていても、それを自分の中で永遠にしようと思ってしまう、私は罪な女だ、女は毎日が何かに満たされなかった。だが男と会っていい意味でも悪い意味でも女の心は揺さぶられ、毎日が濃密になってきた、だが女は心を閉ざした。女は夫が心の奥底ではいてもいなくてもいいと考えていた、だがあるものが消えることは嫌なことだった、そして、女は出会いを拒み、別れを嫌った。女はもうその男と別れてしまったら、本当の意味で心を開くことは永遠にないと、わかっていた、女は出会うことが嫌いだった、それはいつも昔を思い出すからだ、女は考えることをやめた、女は自分から行動することができない、そして日々は過ぎる、男が自分に好意を向けてきた、いや私の勘違いかもしれない、しかしいや私が向けて欲しいと願っていたのかもしれない、私は罪な女だ、女は何か昔とは違う感情が生まれていた、それは誰にも表現できるものではない、女はそれが何かわかっているようでわかっていない、それは昔思っていたものとは違った、女はこんなことは初めてであった、こんな気持ちは今後一切現れることはないだろう、女は葛藤した、女は考え出した、思考をし始めた、しかし考えれば考えるほどそれはわからなくなっていく、まるで砂地獄のように追い求めれば追い求めるほどわからなくなっていく、女はそれが怖かった、だから考えることをまたやめた、だがまた考えた、しかしまたやめた、そこに一つの感情とも言い難い、何か大切な砂から集まった丸い球みたいなものができた、それは長い年月をかけて完成したものだった、しかし女はもう遅いことを察していた。そこには夫がいた、そう夫がいた、一緒にご飯の食べている、そうご飯を食べている、女は悩み、時間を忘れていた、
女はふと昔のことを考える、女はそれが好きだった、女はいつも考え事をした、もう考えることが好きになっていた、昔もそんな男がいたような気がする、考えるのが好きな人がいた気がする。女はよく考えているこれは悩んでいる訳でない、考えをやめたことはない、常に考えていた、その時間は濃密であった、こんなこと初めてだった、思考をすれば時間の進みが遅い、人生の進みが遅い、1日が長い、1週間が長い、昔のあの人もこんな気分だったのだろうか、それは耐え難い時間にもなるし、時には幸せな時間にもなった、今私は耐え難い時間になっているこんな1日が苦しいのか、だが女は考えることをやめなかった。それは男との最後の約束だから
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