タダより高いものはない。

なまくら刃

タダより高いものはない。もし1000円なら?

▼前書き


 ある男は金欠だった。金がなかった。しかも大食いだった。


 しかし、その旨を友人に相談すると、給料日までなんと1000円で彼女が作った料理を食べ放題にしてくれることとなった。しかしさすがに友人の家とは距離があるので住み込むこととなった。もちろんその友人は快諾。それが罠とも知らずに……


「」の枠・・・主人公、一人称が俺、織成 千鶴(オリナシ チヅル)

『』の枠・・・友人、一人称が私、藍上 志織(アイガミ シオリ)

キャラの詳しい紹介は後書きで


▼本編


 俺、織成千鶴は金欠である。金がない。

 給料日前一週間、ここまで困窮した状況で迎える事になるとは思っていなかった。財布に1枚残された1000円札を睨みつける。だが無論、これが私の全財産ですという訳では無い。

 世知辛い世の中になったもので、投資のだ貯金だのと、様々なところに金を残してはいる。だがそういった基本手を出してはいけない金を除けば、今持っているのはこれだけと言っていい。

そもそも、なんでここまで困窮することになったかというと、私のエンゲル係数というのがあまりにも高すぎることにある。

 例えば牛丼なんかでは特盛は当たり前、それより上のサイズを頼むこともままある。なら例えにあるような外食ではなく自炊をすればいい話だが、昼は家から生半可な量の弁当を持ってくるのでは足りず、そもそも自炊をしても絶対量でそこそこ嵩むため、根本的な解決には至っていない。

だが、幸いこの食生活で太るだとか病気にかかるだということはなく、標準的な体型を維持している。

 閑話休題、そんな訳で俺は今ただ飯を食いたすぎたというそれだけで使う訳には行かない金に手を出しかねない状況にあるのだが、こんなことを考えているうちに一つ宛を思い浮かんだ。


 友人に借りればいい。


 いやいやもちろん、無償でとはいかないが、7000円くらい借りて最悪1万円返せればなんとかなる……はずだ。あるいは友人のよしみで利子なし1万円くらい借りられるかもしれない。

早速俺は友人の一人、志織にメッセージを送った。


「ごめん、ちょっとお金ないから貸してほしいんだけど……」

『結構久しぶりに聞いたなーその言葉、てか今どんくらいお金ないの?』

「自由に使えるのは、1000円」

『うーんそっかぁ……』


『じゃあ、

ウチ来たらその1000円で光熱費、水道代、何より食費も負担してあげるよ?』

 目を疑った。

 いくらなんでも1000円は安すぎる。流石にすかさず聞き返す。

「いや、俺がどんくらい食うかって知ってるよね? 1000円って……」

『大丈夫だから。ただ、ご飯については私が作ったやつになっちゃうけど……』

 彼女の料理の腕は家で開いたパーティーに持ち込まれた料理やBBQの時に充分思い知っている。ただやはり、俺が満足する量を作るとなるとその手間は計り知れない。

「それは大丈夫だけど……昼も作るってなると朝もお弁当作りが大変にならない?」

『いやいや、そんなの気にする仲じゃないじゃん

まあ一週間だけだしさ、

来週必要な荷物まとめたら家きてよ。住所は______』

 あっさり通されてしまった。今度彼女と遊ぶ時は親切にしなければならないな……

とりあえず了解の旨だけ伝えて荷物をまとめ始める。

明日が日曜でよかった。これが平日だったと思うと……おそらく餓死か、貯金の額が減ることになっただろう。

 にしても、送られてきた住所は見覚えがない。数年前彼女の家にお邪魔した時はもう少し郊外の方に住んでいたと記憶していたが、なかなかいい所に引っ越したようである。

最低限会社通いに間に合う衣服や道具をキャリーケースに詰め、家を出た。


 かれこれ1時間もしないうちに、彼女の家の近くまでやってきた。

 この辺りは閑静な住宅街といったところだが、駅や買い出しに必要なだけの店はある程度揃っている。……なんだか羨ましい。

 とか思っている間に、マップアプリは目標地点に到達したと示してくれた。

 視界に映ったのは、豪邸……とまではいかないかもしれないが、周りと比べても一際大きな家には立派な門があり、車を停めるのにも最適そうな場所もあり、駆け回ることが出来そうな広い庭もある。

 まさか、ここじゃないだろうな、と思いながらも恐る恐る近付き、表札を確認してみるが、やはり書いてあるのは藍上の二文字だけ。つまり、ここで間違っていないはず……

 覚悟を決め、インターフォンを鳴らしてみる。

『はい、今行きますー』

 聞き慣れた声だ。門の奥に見える扉が開き、見慣れた顔がこちらに近付いてきた。

『いやーよく来たね、今開けるから』

「いえいえ」

 大層な門を潜り、家の中に入る。

「お、お邪魔します……」

 ここまで綺麗な家だと、さすがに震えた声でそのような言葉を口にしてしまう。

『いやいや、そんな畏まらなくていいよ』

「そうはいっても、やっぱりねぇ……」

 玄関だけでもかなり広々としており、これからこの玄関だけで一週間生活しろと言われても苦がないほどだ。

『とりあえず荷物置きに行こうか、付いてきて』

 床を汚さないようにキャリーケースの足にカバーを取り付け、彼女についていく。

 外だけでも圧倒されたが、中も十二分に広くて綺麗だ。俺だったら、到底使い切れも掃除しきれもしないだろう……

「にしてもすごいねこの家、どうしたの?」

『いやー、ちょっと裏技で儲けられたからね。半年前に買っちゃった。あ、でもヘンなことはしてないから安心してね♪』

 裏技……なんだろうか、生半可なことではこの家が買えるような額は稼げないはずだが。まあそこを教えてしまっては彼女も儲かることはできないだろうから仕方ない。

『はい、じゃあここが千鶴の部屋だよ』

 案内された部屋はシンプルでどんなものを置いても合いそうな部屋で、机や椅子、収納も十分。これから一週間ここで過ごせるのだと思うと喜びが止まらない。なんなら、ここに住み着きたいくらいだ。ただ、ひとつ気になる事があった。

「すごくいい部屋だけど……ベッドとか布団は?」

『あ、それは別の部屋にあるよ。とりあえず、荷物置いたら一通り家の中案内しよっか。』

 軽く礼を言い、また後ろについていく。

『ここがベッドルーム、静かに寝れるように防音にしてあるんだ!』

 ベッドまで用意しておいてもらうとはありがたい。

「すごい、これだけ大きかったら二人とかでも寝れるんじゃない?」

『……うん、そうだね。』

 返答に間があった。一緒に寝ないかという誘いに受け取られてしまっただろうか? 引かれていないといいが……

『ここが私の部屋だよ。なんかあったらここに来てね? もちろん何もなくても来ていいけどね!』

 彼女は笑いながら答える。志織の部屋は俺の部屋とは違って生活感があったが、彼女らしいというか、きれいに整頓されている。しかしこちらにもベッドはない。防音仕様の部屋とベッドがもともと彼女のものだとしたら申し訳ない。

 そういえば、位置的に風呂やトイレでもなさそうな部屋がいくつもある。

 考えてもみれば当然で、たとえ金があったとしても一人暮らしでこんなに広い家に住むのは合理的ではなく、家族なり使用人なりが居てもおかしくはない。誰が居るのか聞いてみるが、

『あー、そこはね、そのー……まだいいかな、うん』

 濁されてしまった。まだというのが引っかかるが、まあ今は家にはいない相手が住んでいたりするのだろう。

 次は浴室に案内された。中は湿っており、少し前に使用されたことがわかる。

『ここが浴室だよ。入浴剤とかシャンプーは好きに使っていいからね。』

「ありがとう。にしても、家族でも入れそうなくらい大きいね。」

『家族、家族か……うん、そうだね。』

 大丈夫だろうか、何かコンプレックスを刺激してしまっただろうか? 志織には両親も兄妹も居たし、身内に不幸があったという話は聞いていない。しかしそうなると、それなのにここまで広い家に一人で暮らしているのはなぜだろう。将来を見据えて、というやつだろうか。もし心に決めた人がいるなら、先を越されたみたいで寂しいが、友として応援しなければならないな。

『で、ここがダイニングとキッチン。紹介はこんなところかな、というか、今日ご飯食べたの?』

「いや、まだだけど……」

『そうだよね、お金ないんだもんね……じゃあさ、今から作ってあげるよ。』

「ありがとう……あ、ちょっとまって」

 財布から1000円札を取り出す。

『おー、これが君の今の全財産ってわけか……』

「いや、一応資産はあるけどね」

『いやいや、強がらなくていいよー、じゃあ大事に預かっとくね』

 これで本当に一週間居候させて飯まで作ってくれるというならば安いものだと、1枚ぽっちの紙切れを手渡す。

『毎度ありー、じゃあしばらくしたら呼ぶから、ゆっくりしといてよ』

「わかった、まず荷解きでもしてるよ。」

 早速自分の部屋に戻り、クローゼットに衣服をかける。

 改めて洗練された家具の配置に驚く。自宅の部屋にも近い配置だが、狭くて仕方なく詰めて配置していたところが余裕のあるように置かれていてまさに理想といっていい。どうしてこうも俺の好みに合う配置なのかはわからないが、ともかくありがたい。

 一通り荷物は置き終わったが、まだ声がかからない。

 今のうちに風呂でも入っておくか。


 風呂に入るということは脱衣所で服を脱ぐ。先程案内された時はそこまで気にしていなかったが、当然そこには女物の服や……もちろん下着も置いてある。

 しかも、あまり見てはいけないのだろうが、ついつい視線を集中させるとちょうど恥部に当たる場所にシミがあるようだ。

 それはつまり、彼女が……自慰行為をしていたのを意味しているのではないだろうか。

そして、それを意識して動けないでいると、濃厚な女性の香りが鼻と、股間を刺激する。

 いくら俺が童貞で女性経験が少ないとはいえ、友人相手に興奮するのは罪悪感が湧いてくる。とはいえ最近そういったことをしていなかったのもあり、肉棒の先から汁が滴ってくる。

 このままではまずいと思い、理性を働かせ急いで服を脱ぎ浴室に入る。

 しかし、頭を洗えど身体を洗えど、湯船に浸かれども志織のことが頭から離れない。

どれほどそれについて考えていただろうか?

 結局興奮が冷める頃にはすっかりのぼせ上がってしまい、ふらつきながら湯船を後にした。


 風呂に入っていた内に家の中は料理のいい匂いで満たされており、食欲を刺激する。

 料理を冷ましてはいけないと思い、少し急ぎ気味でダイニングに向かう。

『あ、お風呂入ってきたんだ?』

「……!う、うん、人の家にお世話になるんだし、身体綺麗にしとかないとなーって……」

 風呂場での事があったから、いざ顔を合わせると少し後ろめたく、。

『……♡そっか、ありがとうね。じゃあもうすぐご飯できるからさ、そこ座っといてよ。』

 まさかとは見抜かれていないとは思うが、それでもヒヤヒヤしてしまう。

 だがそんなことを考えている場合ではない。せっかく志織に料理を作ってもらえることだし、そちらに意識を傾けないと。

『お待たせー、これで全部できたかな?』

 彼女はそう言って大皿を持ってくる。

 テーブルに改めて目を向けると、焼き魚、麻婆豆腐、ポークソテー、和洋中問わず、様々な料理が所狭しと並べられていた。

 もちろん白米やサラダもあり隙がない。

「すっっっごいな……これ全部志織が?」

『えへへ……ちょっと張り切っちゃった。』

「にしても……じゃあ、食べていい?」

『もちろん!』

「いただきます。」

 そう言って1口食べてみる。

「……!美味しい!」

『ありがとう!頑張って沢山作ったからさ、全部食べていいんだよ?』

 ひと口ひと口噛み締める度に幸せが溢れる。

 ただ、塩分はしっかり入っており、先程風呂に入ったこともあり喉が渇いてくる。

 なんと手際のいい事に烏龍茶まで用意してあったようなので、これを飲み干す。

『・・・♡』

 喉がスッキリしたこともあり、箸がさらに進む。

 流石に全部食べ切ることは出来なかったが、皿の9割方からは料理が消えていた。

「ごちそうさまでした・・・」

『はいはい、どういたしまして。』

 これだけご馳走になって1000円では釣り合いが取れないと思い、皿洗いでもしようかと尋ねると、『いやいや、ゆっくりしてていいよ』と言われてしまった。

 そうは言ってもなあ……と思っていると……血糖値スパイクだろうか……風呂に入りすぎたせいだろうか……眠気が……


『……大丈夫、お支払いはちゃんとしてもらうから♡』




 ……ここは……?

 辺りを見渡すと、どうやら先ほど案内された寝室のようだった。

と、同時に、手足が縛り付けられており、オマケに全裸にされていることに気付いた。強盗でも入ったのかもしれない。志織は大丈夫だろうか? 声を出そうとするが、この部屋が防音仕様だったことを思い出し出かかった叫びを喉に留める。

 どうしようか考えているうちに部屋のドアが開いた。誰が入ってくるのか警戒したが、入ってきたのは志織だった。

「なあ、これどういう……」

『いやあ、本当に待った甲斐があったよ。にしても警戒してくれないで助かったな。本当に何も無しに1000円で全部負担してあげるわけないじゃん。』

「ッ……」

『ああ大丈夫、臓器とか貰ったりしようってんじゃないから。

貰うのは君の貞操だから。』

 突然の展開に頭が追いつかない。監禁したのは志織で? 貞操を貰うということはつまり……

『わっ、カチカチだあ。あの薬、効果あったんだねえ。』

 志織がベッドの上に乗り、俺のガチガチになった股間を触ってくる。

『うーん、すぐにそういう事してあげてもいいんだけど、まず君が気になってるのはこっちかなー?』

 彼女はそう言うと服と下着を脱ぎ、豊満な胸を晒け出した。

 正直なところ、俺が彼女の胸を気にしていたのは事実で、抱き着かれた時なんかは渤っているのがバレないようにするので精一杯だった。

『へぇ、やっぱり興味津々みたいだね。これで挟んであげて……っと』

 反り立つ二つの山に肉棒が飲み込まれていく。と同時に快感が身体を襲い、思わず顔を歪めてしまう。

『挟んだだけでそんな顔しちゃうんだぁ♡じゃあ、動かしちゃったらどうなるんだろうね?』

 彼女はそう言うとよだれを胸の間に垂らし、胸を揉みくちゃにしたり、上下させたりして竿を刺激する。

 思わず喘ぎ声が盛れ、奥の方から白濁が込み上げるのを感じる。

『わー♡喘いじゃって可愛いね♡』

「うっ……ご、ごめん!もう出るっ!」

 胸の中に白い液がぶちまけられる。

 解放感と脱力感に浸っていると、彼女は男性器を胸から抜き、不機嫌そうな顔でこちらを睨みつけた。

 戸惑っていると、彼女が口を開いた。

『はあ、なんでもう出しちゃうわけ? 自分だけ勝手に気持ちよくなっちゃうなんてお婿さん失格じゃないかな?』

「いや、婿どころか彼氏じゃ『そうじゃないでしょ? 「勝手に射精してごめんなさい、生ハメ交尾で御奉仕させていただきます」、でしょ?』

「え、っ生は、え?」

『まだ立場がわかってないのかな、君は自分を好き放題できる権利を1000円で売っちゃったんだよ。だから、可愛いお顔も、おちんちんも、全部私のものなんだよ。』

 自分のした事の重大さに目が眩む。

『もう我慢できないし、入れちゃうね。』

「いやでも……んっ!」

 ぱちゅん。

 手と手が繋がれ、口が口で塞がれ、性器と性器が触れ合い、交わる。それと同時に、再び快感の波が脳を襲う。

 そして間もなく舌が口の中に入れられ、彼女の腰が上下運動を始める。入口で締め上げられ、中の襞にゾリゾリと擦り上げられる。

 これは長く持たないと思いながら耐えていると、口が離され、彼女が喋り始めた。

『……その、さ。実はこの家、投資で一発当てて買ったんだよね。しかもさ、それでもまだお金余ってるんだ。でももちろん私も仕事は続けてるし、ちょっとは余裕のある生活させてあげられると思うんだ。

だから……その……君は働かないでいいから、ずっと家にいて欲しいんだけど……ダメかな?』

唐突な話だった。でも、不思議と答えは決まっていたかのように滑らかに口から出てきた。

「嫌だ。」

『えっ……そんな、そんな、だって、「もちろん」

「もちろん、志織に頼りっぱなしのヒモになるなんて嫌だよ。一緒にここで暮らすのはもちろんいいんだけど、でも食も住もお世話になりっぱなしじゃ申し訳ないからさ、自分の食費くらいは稼がせてほしいんだ。」

『……!うん!』

「……その代わり、一旦ゴムはして欲しいなって……」

『駄ー目♡』パチュン

「ッッッッッッッッ♡♡♡」

 交渉失敗。止まっていた腰が動き出す。

 さすがに中に出してしまうのはまずい。

「ごめッ、止めてッ、赤ちゃんッ、出来ちゃうッ、からぁ」

『やだ♡止めない♡赤ちゃん作ろっ♡』

「もう無理、出る」

『出せ♡出せ♡出せ♡出せ♡』

 不意に耳元で囁かれる。それと同時に精液が大量に放出される。視界が真っ白になり、思考能力が奪われる。だが、追い討ちをかけるように彼女の腰は動き続けた。

「なんで♡まだ♡うごいてッ♡」

『だってまだ私イってないし♡あと♡一晩中これやるから♡』

「ひとっ……♡むり♡しんじゃう♡」

『大丈夫♡たっぷり栄養取ったもんね♡』

「だめっ♡またイク♡」

『あっ♡一緒にイこ♡』

「イクッ♡」『イクッ♡』ビュルルルプシャアア

 俺たちは同時に絶頂した。と、同時に、俺は意識を手放してしまった……


 目が覚めると、志織は居なかった。恐らく先に起きたか、一晩中俺を犯しきったのだろう……

ともあれ、手足の拘束も解かれていたので、自分の部屋から着替えを持ち出し、風呂に入りに行くことにする。

 家に点在している窓は、夜が明けてそこそこ経っていることを伝えてくれた。風呂から上がると、昨日と同じくいい匂いがしてきた。

 匂いにつられダイニングにやってくると、志織が料理している最中だった。

「おはよう、志織」

『おはよう、千鶴』

 名前を呼び合う。これだけでもこそばゆいような気がしてしまう。

『もうちょっとでできるからさ、座ってていいよ』

「ああ、ありがとう」

 席につき、食卓に並んだ料理を眺める。トースト、スクランブルエッグ、ベーコン、サラダ、ポトフ……

 シンプルだが心に沁みるラインナップだ。

「いただきます。」『いただきます。』

『いやあ、一緒にこうして朝を迎えて、一緒にご飯を食べられる日が来るとは思ってもなかったよ。』

「しかも、肉体関係まで持ってね……」

『……うーん、君からそういうこと言われるとまたシたくなっちゃうなあ……』

「い、いや、そういうのはもうしばらくいいかな〜」

『えー? まだ私行けるけどなー?』

「勘弁してくれ……」

 まあ何はともあれ、お陰様で金欠を乗り切ることは出来た。

 その次の週末までに元々住んでいたアパートを解約し、この家に正式に引っ越してくることとなった。

 多少歪な始まり方ではあるかもしれないが、現在は彼女と幸せな同棲生活を送っている。

 もちろん……

「あっ♡ごめん♡もう出ない♡」

『えー? ♡まだ出るでしょ?♡』

 夜は蹂躙されてばかりだが。


▼後書き


織成 千鶴(23):会社員。志織とは大学で知り合い、よく遊んでいた。そこまで貧乏という訳では無いが、たまに使いすぎた時は志織に借りている。

危機感がそこまでなく、割とモテる方なので今まで食べられそうになった時もあったが、なんとか今まで童貞を維持していた。今は彼女に守られているためあまり食べられそうになる心配はなくなったが、他の女の匂いが付いていたり、親しく接していた時は激しくされる。

藍上 志織(24):会社員だが、株をガッツリやっている。実家自体もそこそこ裕福だが、ある程度自力で生活するよう言われている。また、株は基本6:4か7:3くらいで勝っているが、負けた時は千鶴に甘えて発散している。

使われていなかった部屋は当然将来家族が増えた時の為の物で、10個くらいある。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る