酔っぱらいの戯言
@genin_syosetu
第1話
今日もいつもと同じ日々を過ごした。
いつもと同じように仕事をし、周りと比べながら
常に足りないと自覚をしつつ業務を続ける
当然。残業になる。頑張っても、頑張っても
何が足りないのかがわからない
自分なりに努力は続けているつもりだ
上司に詰められる
「まだ学生のつもりか」「いつになれば覚えるんだ」
「意識がたりない」「甘えるな」
そんなつもりはない
常にメモをとり、周りの人にわからないことは尋ねて
自分の中で解決策を模索し
常にあがいてきた
頑張ったつもりだ...
「ああ、やっと明日は休める」
そう呟きながら疲労のたまった体にアルコールを流し込む
その日は本当に疲れていた
普段は家に帰り泥のように眠りにつくのに
久々にアルコールを飲みたくなったのだ
それが悪かったのだろう
会社を出て、コンビニで買い物をし
家までまてずについ、飲んでしまった
久々の酩酊感に気持ちがよくなり
ふらふらと飲みながら
明日は何をしようと思いながら歩いていた
目の前を黒猫が横切った
街頭だけが灯るだけの薄暗い道でも
不思議とはっきりとわかる黒猫の存在
何を思ったのか
道路の真ん中で動きを止め
その光る眼でこちらを見てきた
少し不気味に思いながらも
猫好きの身としては少し
「ああ、かわいいなぁ」
と思ったとき
急スピードで迫る車が接近してきたのだ
考える暇はなかった
体がなぜが勝手に動いたのだ
ドンッ
重い音が体から響く
気が付いたら猫を抱えたまま
車にひかれていた
数度、アスファルトに体は跳ねた
「にゃー」
倒れ伏した体から猫がはい出てくる
猫はこちらを一瞥しどこかへ去っていった
それを見ながら
「ああ、無事だったかぁ…」
と思い意識は暗闇に溶けていった
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「シミュレーションを終了します」
機械的な音声とともに目を覚ます
「見知らぬ天井だ」
そんなことをのたまいながら
見慣れた部屋の中で目が覚める
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