ちょっとした語りと思索を披露する場

第26話「人生レシピ」

　Eテレでやっている「人生レシピ」、これたまに見るのだが、落ち着いた雰囲気でなかなかいい。様々な人が、ちょっとひと工夫して、生活している様子を映す。

　今回はカフェ特集、その中でも、とある団地のカフェが目に留まった。

　東京のとある団地、築50年以上の古いもの。もう住民も高齢化してきて、人々の交流も少なくなっている。

　自治会に所属する高橋さんという女性、そんな団地を活性化させようと、URと協力して、集会所をカフェにすることにした。

　従業員は20人くらい。ほとんどが主婦の高齢の女性たち。だが、みんな手際よく、食材を切り刻んでいく。おお、お見事。

　メインメニューはカレーと野菜のスープ。野菜たっぷりの日替わりスープがとても魅力的だ。

　もちろん、お客は高齢者が多い。その中の一人の男性、今年奥さんを亡くし、独りで部屋にいるのもさみしいので、ここを居場所にしているという。

　男性同士だと、歳をとると新たに友人にはなりにくい。ここの女性店員さんとは、本当に楽しく話ができるようだ。

　この男性、とてもいい笑顔で帰っていった。

　次に来たのは、子育て中の女性。普通の飲食店だと、子供がうるさいとけっこう周りの目がきついらしい。でもここではみんなが温かく迎えてくれる。

　店員さんがみんなで、子供さんのお守りを代わる代わるしてくれる。ああ、ほっとする光景だ。

　やっぱり、高齢者と子供ってとても相性がいい。子供がそばにいると、高齢者もとてもいい笑顔になる。

　人生のこういう、ちょっとした工夫って、素敵だなぁ。