The Detective.

烏鴉 文鳥白

三年前のあの日

第1話ノA 三年前のあの日 前編

 ある夏の日――といってもここは山の奥深くなので涼しい。

「ハチぃ、あとどれくらい歩けばいいの?!」

「頑張れおもちさん。あとほんの少しだ」

 おもちと呼ばれた少女――結米 乙望 おにぎり おもちは溜息を一つついた。ぴょこんと飛び出た寝癖が愛らしいほやほやの女子大学生である。

「あと少しってそれ言うのもう何回目よぉ。はぁ……、タクシー呼べば良かったのに……」

おさむがそんな金出してくれるわけ無いだろう」

 ハチと呼ばれた青年――鷹視 捌タカミ ハチは乱れた黒髪をかき上げながらおもちの方を振り向いた。灰色の目は生命を感じさせず、無表情な顔つきに闇感を多分に与えている。

「ただでさえうちは金が無いんだから」

 おもちは再び大きな溜息をついた。

「はぁ……新米食べたい……」

「今夏だよ」

 おもちはハチの背中を音を立てて叩いた。


 大陸の東に位置する島国ニポンの首都にして大都会、東江戸とうえど――その片隅にあるハチとおもちが所属している小さな社に依頼が来たのは数日前のことだ。

 大手に客を取られ続け、閑古鳥が鳴いて鳴いて鳴き枯らしたような状態へと成り果てたこの社屋に冷やかし以外の客が来るのはとても珍しい。尤も冷やかしさえも今となってはもう来ないのだが。

 その依頼人は描物かきものと名乗った。

 脂肪多めの体型にも関わらずピッタリ合っている……もとい採寸がきちんと行われているオーダーメイドの高そうなシャツと背広が殺風景な社屋の中で一つ浮いていた。

「全く、東江戸の夏は暑いですな」彼はソファーにどしりと座って言った。年季の入ったソファーが壊れないかと、おもちはハラハラした様子だ。意外とソファーは丈夫だった。ハチは描物氏の向かいに腰を下ろす。

「こんなヒートアイランドの真ん中みたいなところで背広はちと暑くありませんか」

 おもちはため息をついた。(あんたこそ年がら年中外套オーバーコート着てるじゃん……)

「いやいや、これは通気性がバツグンの上物でして」

「なるほど……。因みに、本日のご要件は?」

 描物氏は出された麦茶とドクダミ茶と焙じ茶と何かで構成された混合物を啜ってから話し始めた。

 彼はさる物品の売買で成功した大富豪で、田舎の山奥に豪邸を持っているらしい。

「実はその屋敷でパーティーを開催するのです」

「そいつは豪勢ですね。フォアグラとかキャビアーとかいう奴も出るのでしょう?」

 実を言うと、ハチ自身はフォアグラにもキャビアにもお目にかかったことがない。恐らくどんなものかもよく知らないだろう。

「それはもちろん。そのパーティーなのですが、私の娘も初めて出席するのです。大事に育てた娘なのでどうも不安で……」

「詰まるところ、其の人を警護せよ、とのご依頼ですね?」

「そういうことです」

 警護は警備員の仕事であってあたし達の仕事ではない……と言おうとしたおもちに、この社の社長ということに、「一応」なっている書斎内 理しょさいない おさむが視線で「止めろ」と言う。彼は滅多に口を開かない。それどころかおもちが働き始めてから二カ月、彼が話しているのを一回か二回くらいしか見たことが無い。しかしその分目でメッセージを伝えてくる。それが何故か妙に分かりやすい。依頼が来ず経営赤字が続いている以上、どんな仕事でも受けたいという強い意志が感じられた。

「分かりました。お受けしましょう。場所は何処で?」

 描物氏がメモに住所を書いた。最寄り駅まで東江戸駅から数時間の距離、県外である。

「それでは、宜しくお願いします」

 描物氏を見送った後、ハチとおもちは同時にオサムの方を振り向いた。

「勿論……交通費は出るよな?」

「出ないとは言わせない!」

 理は二人を少し睨んだ後、渋々机の引き出しの金庫から千円札を数枚抜き出した。


 「あんのケチ……! 本物の煙草吸わずにシュガーシガレットずっとくわえてんのも煙草代ケチってるだけなのよ……!」

 おもちは散々歩かされた不満をぶちまけた。この場にいる人間はハチとおもちだけなので、ぶちまけられるのは必然的にハチということになる。

「まぁまぁ落ち着け。屋敷に着いたら警備に便乗して馳走が食えるぜ。フォアグラとかキャビアーだぜ」

「あたしは新米があればそれでいいの!!」

「いや、だから今の時期に新米をテーブルに並べるのはフォアグラとキャビアー出すより難しいのでは」

 ハチは荒ぶるおもちを落ち着かせようとしているが、逆に火に油を注ぐ結果になっている。そもそも本当に落ち着かせようとしているのだろうか。

「蝉が鳴いてるよ。例えばあの木とか」

「そんな事分かっとるわ! コンニャロォ!!」

 おもちはハチをペムペムと叩き始めたが、ハチは「フッ勝手にしろ」といった平気な表情である。

 遂に、おもちは「もう嫌だぁぁぁぁ」と呻いて、ハチの外套にしがみついて蹲って泣き出してしまった。ハチは暫くおもちを不思議そうに見下ろしていたが、やがて前を向いて口を開いた。

「君に朗報を一つ」おもちは顔を上げた。潤んだ上目遣いの目をして可愛らしい表情なのだが、ハチは生まれてこの方他の生物に対して「可愛い」という感情を抱いたことの無いような人間である。彼は真顔で前方を指さした。「もう到着した」

 示す先には、白塗りの壁に三角屋根が乗っかった屋敷が荘厳に佇んでいた。


 目的地の西洋風屋敷に到着したようだ。しかし、錆一つない重厚な鉄の黒い門の近くには人がいない。

 入るか入らまいかおもちは逡巡していたがハチはさっさと門を押してくぐった。天使の像が彫られた大理石の噴水、円形に剪定された庭木、青々とした天然芝が敷き詰められている、そんな英国風庭園イングリッシュガーデンを鑑賞することもなく無造作に横断する。

 しかし、鑑賞することは無いけれども、その鋭い視線は地形を完全に頭に入力している事を示していた。しかし、芸術的な噴水を機関銃掃射を避ける壁としか考えないのはちとよろしくないと思う。

 やがて巨大な白い扉の前に到着したが、インターホンが無い。

「ふむ、此奴はどうしたものか。インターホンが無い建物は初めて見た」

「ノッカー使うのかな?」遅れてやってきたおもちが扉に掛かっている獅子の形をした金色のノッカーを指さした。純金のようだ。

「代わりにやってくれないかい?」

「自分でやりなよ」

「使ったこと無いから力加減が分からん。扉を叩き壊しそうだ」

 どんな力で叩くつもりだよ……と呆れ呟きながらおもちはドアを三回ノックした。

 すると、The・執事みたいな人――多分普通に執事――が現れて一礼した。

「お約束されていた方々ですね。お待ちしておりました。こちらへどうぞ」

 お待ちされていた彼等は執事的な人の後について行った。

「話しが矢鱈と早いな」

「あたし達まだ一言も喋ってないのにね」

 案内された英国風の応接間には二人の人物がいた。先日依頼に来た描物氏と初めて会う少女だ。

「いやぁこんにちは。山道をわざわざ済みませんなぁ」描物氏が陽気に挨拶した。そして、傍らの少女を指し、「娘の麗乃ヨシノです」と紹介した。

 年の頃は十四才といったところか、白百合色の髪をセミロングに伸ばしている。ハチやおもちの足元を見ている伏せがちの目は海か空のように青い。肌荒れ知らずの肌は陶器のように白く滑らかで、お嬢様として箱入りに育てられたのが分かる。眼の色と同じ青いワンピースと膝の上に載せられた手が微かに震えている様子からおどおどとして緊張しているのが分かる。

「滅多に人に会わせんし、屋敷からも出さんもんで恥ずかしがり屋になってしまいましてな、こら、ちゃんと挨拶せんかい」

 おもちは描物氏の言葉を無視し、屈み込んで少女と視線を合わせた。

「こんにちはヨシノちゃん。あたし、結米 乙望おにぎり おもちと言います。おもちって呼んでね! で……うん、こっちの髪の毛もの凄いのは鷹視 捌タカミ ハチって言うの。てきとーにハチとかで呼んでいいよ」

「髪の毛もの凄いの……?」ハチは一人で呟いた。少し傷ついたかもしれない。

 因みに今迄彼等の風貌や詳細について余り詳しく述べていなかったが、ここでの少し説明しておこう。

 おもちは栗色のストレートヘアである。寝癖があちらこちらに飛んでいるが、小汚さやだらしなさといった印象は与えず、いわば一つのファッションとして身に付けられているものと言っても良い。

 顔立ちに関して、瞳はぱっちりと開いていて、健康的な薄い日焼けと共に快活な印象を与える。目鼻立ちはすっきりとしていており、にっこりとした表情は人口一千万都市東江戸でも中々見当たらない可愛さだ。美少女と言っても大袈裟ではないだろう。

 ヨシノは誰にも聞こえない小さなため息をついた。

 服装に関しては、シンプルだが洒落た白Tシャツ、水色のサマーコート。おもちが立ち上がると黒タイツの上に履いた紺色のミニスカートが揺れる。これは1/fゆらぎになっているらしい。

 都会はきっときれいな人とおしゃれな人が一杯いて、私なんかが行っちゃいけない場所なんだろうな……と間違った認識を抱きながらヨシノはハチに目を向けたが、その瞬間考えが変わる。

(いや……やっぱり私でも都会行けるんじゃ……?)

 彼は凡そ爽快感とかクールさと言えるものを全く持ち合わせていなかった。いや、あのとっ散らかっている荒地的髪の毛と死んだ魚の目みたいな光を帯びていない瞳、焦げ茶の薄汚れた冴えない継ぎ接ぎだらけの季節錯誤な外套オーバーコートを何とかすればそれらもまた発現するかもしれないが、現時点に於いては酷いと言ってはあんまりだがまぁそういう感じである。そもそも目鼻立ちがどうとか言っていられる状態ですら無い。まず散髪に行けと言いたくなるが、彼の髪の毛は床屋泣かせの剛毛である。鋏数本とバリカン一個を破壊した時点で東江戸都理容生活衛生同業組合から出禁認定を受けているのだった。段ボール切る用の鋏を使って自分の手で散髪しているのだからそりゃあこう混沌が極まるヘアスタイルになるだろう。

 因みに蛇足だが、彼の外套のポケットはほぼ四次元ポケットであり、羅針盤やノギス、果てには何に使うのかさっぱり分からないはんだごてなど、様々な物が入っている。その仕組みはよく分かっていない。

 そして、これが描物氏の頭を悩ませていた。

 果たしてこのように薄汚れた男を公式フォーマルなパーティーに参加させても良いのだろうか。女子の方は問題ない、衣装を着せれば全く問題はない。問題はあの男なのだ、あれは何を着せようが無駄だ、と口髭を引っ張りながら考えているようだ。

 描物氏の出した結論は、何か理由をつけてハチには見張りとして立っておいてもらうことにしよう、という物だった。

 ハチは意外とあっさり承諾した。何故なら、キャビアはチョウザメの卵、フォアグラは鴨の肝臓という事を知り、その余りの意味分からなさ――彼は珍味と言う物が理解できない程に貧乏だった――に失望したのだった。

「では、数時間後にパーティーが始まるのでそれまで館内をご案内しましょうか」

「いえ、大丈夫です」ハチは死んだ目を斜め四十五度下の床に向けて言った。

「先日頂いた見取り図で中の様子は完璧に理解しているので。逆に案内できますよ」

 はぁ、と描物氏はよく理解できない様子であった。


 屋敷の大広間、パーティー会場。おもちは水色のイヴニングドレス(約十万円)を着せてもらって御満悦だった。カジュアルな服装も似合っていたが、こういうフォーマルなドレスも似合っている。

「どう、ハチ。ドレス似合ってるでしょ!」

「あ、うん。そうだね」ハチはおもちの姿を〇・〇一秒ほどチラッと見て答えた。視線は常にパーティーの招待客に向けている。

「ちゃ、ちゃんと見なさいよぉ!」

 おもちが憤慨して喚いているが、ハチはそれを適当にあしらいながら灰色の鋭い目で客達を観察している。

(パーティーは立食形式ビュッフェスタイル。参加する者は全員で四十七名、内二人は描物ファミリー、一人はおもちさん。使用人は全員で十三名、五人が厨房、五名が給仕、後の三人は邸内巡回といった感じか。ふぅん、なかなか整った警備体制じゃないか)

 おもちはハチに構うのを止め、そばにいたヨシノに話しかけた。

「凄い数の人……。豪勢なパーティーだねぇ」

「そ、そうですかね……」ヨシノは俯いて答えた。さらに、何かを言おうとしたのか少し口を開いたが、考えて口を閉じた。そんな様子をおもちは見逃さない。

「どしたの?」

「いえ……大したことでは無いのですけど……」

「言ってみなよ。あたしに答えられることなら喜んで答えるよ」

 おもちはしばらく足元を見て考えていたが、おずおずとおもちの顔を見た。震える手から緊張が見て取れる。

「お二人のお仕事は……何なのですか?」

 おもちとハチは一瞬顔を見合わせた。

「そうだねぇ、なんというか……」

 ハチはヨシノをちらりと一瞥した。

「探偵さ」

「た、探偵……?」

「無論迷い犬探しや人の信用調査をやってるわけじゃあない。やれ殺しだの誘拐だの斬った張ったの事件解決が専らの領分だ」

 ハチは何処から持ってきたのかフォークをペン回しのように弄んでいる。

「あれ、でもそういう探偵って小説の中にしかいないんじゃ……」ヨシノはシャーロックホームズや明智小五郎を思い浮かべて、同時にそれらが現代に存在しないということを、まず存在すらできないことを初めて知らされたときの絶望感を思い出して言った。おもちがその疑問に答える。

「三年くらい前まではね。わっ! このローストビーフお米と合って美味しいなぁ……」

「三年前までは……?」

「この山奥では余り感じないだろうが、ここ二十年でニポンの治安は先進国に有るまじき基準にまで悪化したんだよ」

 ハチは何を思ったかフォークで折り鶴を折り始めた。まるでマジックだ。

「原因は警察を始めとする行政機関が破綻した事だな。仕方がないから国会は数年前ある法案を可決した」

 じっとハチを見つめるヨシノの手には汗が滲んでいる。もう緊張はしていなかった。

「『民間組織刑事事件捜査一部容認法ミンカンソシキケイジジケンソウサイチブヨウニンホウ』……通称『探偵捜査法タンテイソウサホウ』ってやつだ。国家資格である探偵資格をとれば刑事事件に関わることができ、様々な特権が与えられる。探偵逮捕権ってのはその代表だな」

「お二人はその資格を持っているんですか……?」

「あたしは二ヶ月前に東江戸に来たばっかでまだ持ってないの。今猛勉強中」食事に夢中になっていたおもちが顔を上げた。「でもハチは持ってるんだ。一発合格だっけ?」

 当然と言う様子で頷いたハチはおもちから投げて寄越されたバターロールを齧り始めた。

「其れはそうと……君、探偵小説ミステリ好きだろ」

 何故分かったんだろう、という様子でヨシノは視線をハチに向けた。ヨシノが口を開く前にハチはバターロールをくるくると回しながら喋り始めた。

「何故分かったかと思っているだろうが、理由は簡単、君の癖だよ」

「癖……?」

「君は緊張したり気分が暗くなったりすると手を握りしめる癖がある。ほら、今もね。安心すると手の緊張が緩む。あと、探偵、という言葉に若干の反応を見せた」

 ヨシノは自分の手を見た。

「そ、その通りです……。すごいですね、本にでてくる探偵みたい……」

「こう見えて探偵なんでね」

 そう言ってバターロールを口に放り込んだハチの背中をおもちが思い切り叩いた。「痛っ」と呟く彼をおもちは責める。

「全く……いつもそうやってシャーロックホームズさんの真似事するの止めろって言ってるでしょうが! ほら、ヨシノちゃん怖がってるじゃん!」

「あー御免、忘れてた」

 ぼーっとした様子のハチをおもちが叱責し続けているのをヨシノは困ったように見つめていたが、ふと父親に着けろと言われていたネックレスを忘れていることに気づいた。

「ちょっと取って来ます」

 そう言ってヨシノが二人から遠ざかった瞬間、ハチはおもちを左手で制した。そして、広間から両開きの扉を押し開けて出ていくヨシノをじっと見つめた。


 ヨシノは上機嫌だった。理由は簡単。探偵というものがこの世に存在する事を知ることが出来たからだ。

 探偵小説ミステリを彼女程愛する人間はこのニポンにもそれほどいないだろう。その愛好ぶりは江戸川乱歩全作品の全作暗記に始まり、シャーロックホームズシリーズ四長編と全短編を原文で愛読し、果てはアガサクリスティー全作品読破と言ったなかなかなものだ。勿論これが全ての読書歴では無い。現在はモリスルブラン原書読破を目指しているそうだ。

(昔の自分に言ってあげたいなぁ……!)

 彼女は五年前父親に「探偵になりたい」と言って「本に出てくるような探偵はこの世に存在しないのだ」と言われ、更に酷く怒られた事を思い出し、そんな過去の自分も救われたような気がしたのだった。その間は、彼女の将来に決定づけられているだろう退屈で無意味な人生を忘れる事が出来た。彼女はこの瞬間、幸せだった。

 しかし、そんな時間は永遠では無い。

 彼女は階段で三階に上がり、廊下を自室まで歩いていたが、ふと自分の部屋の前に人影があるのを見つけた。ここは家族と一部の使用人以外立ち入り禁止の区域であり、客が間違って入っているのであれば教えなければならないと思い近づいたが、すぐに立ち止まった。

 暗くてよく見えないが、その手に持っているものは光を反射してはっきりと見える。

(ナ……ナイフ……!)

「ひゃあっ!!」

ヨシノは走って逃げようとしたが、ドレスの裾に引っ掛かって転んでしまった。人影はゆっくりとしかし確実に近づいて来る。黒いレインコートを羽織っていて、フードで顔が見えない。

「こ、来ないで……。命だけは……」

 ヨシノは喘ぐように嘆願したが、レインコートの者はナイフを掲げている。

(私……死ぬの……?)

 ヨシノの脳裏を今までの記憶が駆け巡った。

(おもちさん、ハチさん……。私、ここで死ぬみたいです……。もし私が死んだら……あの二人が捜査してくれるのかな……)

 ヨシノ自身にも、死の間際に何故家族や今までの知人ではなく、今日知り合ったばかりの二人の名前が浮かぶのかは分からなかった。しかし、その謎を解く時間は無さそうだ。

 ヨシノがついに絶望して顔を伏せたとき、突如銃声と共に九ミリ弾丸が勢い良くナイフをレインコートの者からもぎ取った。

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