1
◇
「…………いらっしゃいませ。
今日もアナタですね」
「ふふ。今日も今日とて寂しい店ね」
「え、笑ってんの珍し。
じゃあ今日は……?」
「いつもの」
「あー……はい」
「夢をみたわ」
「どんな?」
「全部が泡になって消える夢」
「へぇ。よかったやないですか」
「悪夢よ」
「……まあ、そうでしょうね」
「目が覚めるとね、真っ白だった。
ほんとに何も残ってなかったの。
昨日のアルコールさえも」
「薄めた甲斐ありましたね」
「ねぇ、おかわりちょうだい」
「え、ペースはや………って。
全然飲んでへんやないですか」
「いいの」
「……わかりましたよ。ギムレットね」
「ちゃうよ」
「!」
「"x.y.z"」
「……そんなんもう、一生逃しませんよ」
◇
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます