第9話

「……っ、」




思わず、息を呑んだ。




顔を上げた先に立つ男の人はあまりにもかっこよかったから。




薄暗くても分かる。


この人が彫刻のような美しさを持っていることに。





真っ黒なサラサラの髪の毛。


全てを見透かし、吸い込むような真っ黒な瞳。

その瞳は怖いほど力強くて。


形のいい唇。



背も180㎝はありそう。

おまけに脚が驚くほど長い。




こんな完璧な人いるんだ。




しばらく見いってしまっていた。

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