第9話
9「カラス」
村に着いてすぐにコーシカは言った。『カラス多くない?』
確かにそこら中にカラスがいた。屋根の上から道端にまでカラスが我が物顔で飛び回る。
「カラスは別に悪い生き物ではない。むしろ頭が良い。通り過ぎる人の頭の上に糞をするという悪戯までするし。光り物を巣に集めるという不思議な傾向もある」ザイカは得意げに語る。「あれ?」
ザイカは常にフードを被っている。ザイカ曰く天罰執行者の正装なのだそうだ。そのフードの上にカラスの糞があった。我々の上に木の梢もないことから空からの爆撃ということになる。
「凄い命中精度だな。確かに頭が良さそうだ」と僕は感心して言った。
当のザイカは自担駄を踏んで悔しがる。「折角誉めてあげたのに!」
上空ではコーシカが笑い転げている。
近くの小川へ向かいザイカはフードを洗う。その間に僕とコーシカで依頼主の家へ向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます