過激な映像と、汚れた言動が目立つショート動画の世界

白鷺(楓賢)

本編

近年、ショート動画が急速に普及し、私たちの日常に深く入り込んでいる。かつてSNSを使っていた私も、フィードに流れてくるこれらの短い映像をよく目にしていた。そこには、エンターテインメント性があるものも多かったが、同時に、過激な映像や言動、そして不必要に露出を強調したものが目立っていた。


特に目についたのは、過激な発言や暴力的な行動をあおるような内容が多かったことだ。これらの動画は、ただの娯楽という範疇を超え、人々に悪影響を与える可能性が高いと感じた。言葉遣いが非常に乱暴であったり、倫理的に問題のある言動が多く見られた。中には、店内での迷惑行為や危険な行動を撮影し、拡散するものもあり、こうした行動がモラルを欠いた若者の模倣を助長しているように思えた。こうした映像は無意識のうちに人々の心に刻まれ、メンタルに悪影響を与える可能性があると感じる。


また、投げ銭を目的に不必要な露出を強調する女性の動画が増えていることにも驚きを覚えた。私自身、ヌードを芸術的な観点で捉えており、女性の裸体は神秘的で崇高なものだと考えている。そのため、単にお金を稼ぐために露出を多用する行為には疑問を感じてしまう。ヌードは美しく、意味のあるものであるべきであり、消費されるだけの存在にしてしまうのは、本質を見失っているように感じる。


これらの問題点は、個人的な主観にとどまらず、多くの人々が感じているものでもある。SNS上では、ショート動画が制限されないことを嘆く声も多く聞かれ、過激な映像や発言が社会に悪影響を及ぼしているというデータも散見される。また、ショート動画が広がることで、長い文章や映像作品、書籍を楽しむ機会が減少しているという懸念もある。実際、読書離れが進んでいるという話題を目にすることが増えた。


読書は感性を鍛え、想像力を豊かにする貴重な体験だと私は考えている。しかし、ショート動画に慣れると、長時間の集中が求められる書籍や文章を読む習慣が失われてしまう。短い映像で瞬時に情報を得られる利便性が増す一方で、深い考察やじっくりと味わう楽しみを奪われる危険性がある。


もちろん、すべてのショート動画が悪いわけではない。中には、クリエイティブでインスピレーションを与えてくれるものもある。しかし、過激さや不必要な露出を強調するコンテンツが広がりすぎている現状には、危機感を抱かざるを得ない。特に、子供たちがこれらの映像に触れることで、彼らの感性や倫理観にどのような影響を与えるかを考えると、不安は尽きない。


ショート動画の世界は、便利で手軽な一方で、多くの問題点も抱えている。私たちは、意図せず目にするものが自分自身にどのような影響を与えるのか、しっかりと考え、取捨選択する必要がある。そして、より健全なコンテンツを選び、感性を磨く場としてのメディアの在り方を再考する時期に来ているのではないだろうか。

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過激な映像と、汚れた言動が目立つショート動画の世界 白鷺(楓賢) @bosanezaki92

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