第13話 ここ最近観て良かった洋画3選

 現在は、洋画よりも邦画の方がヒットする時代となりました。

 実はこれ、私が子どもの頃には考えられなかったことなんですよね。

 もちろんヒットする邦画も確かに存在しました。

 しかし、規模が全然違ったんですよ。

 洋画と同レベルの大ヒット邦画となると、ジブリぐらいだった印象です。


 そんな昨今ですが......。


 今回は、ここ最近私が観た洋画の中から、これは良かったな~という作品を3本厳選してご紹介します。



『トップガン マーヴェリック』


 まず最初はこちら。

 もはや説明不要ですよね。

 アメリカの超有名アクション映画『トップガン』の36年ぶりの続編です。

 監督はジョセフ・コシンスキーで、主演はトム・クルーズ。


 36年ぶり、というのがなんとも驚きですが、これが空前の大ヒット!

 全世界興行収入は、トム・クルーズのキャリア史上最高額となる10億ドルを達成!

 日本でも興収130億円を超える大ヒット!

 冒頭、私は近年の日本ではかつてほど洋画がヒットしない旨のことを申しました。

 しかし『トップガン マーヴェリック』には、そんな時代の流れも関係ありませんでした。

 それだけ多くの日本人にとっても「面白かった」ということです。

 さすがトップガン!

 さすがトム・クルーズ!


 では肝心の内容はというと......ハッキリ言って説明するだけ野暮です。

 戦闘機パイロットの話です。以上。

 しいてポイントを挙げるなら、トム・クルーズ演じる主人公が、本作ではベテランのおっさんになってしまったということです。

 ただ、そのおっさんが、やってくれるのです。

 この点が、とりわけ往年の中年ファンには刺さったのではないでしょうか。

 

 とにかくこの映画は、理屈抜きに最高です。

 余計なことは一切考えず、頭カラッポにして観てみ?

 飛ぶぞ!

 戦闘機のように。



『オットーという男』


 続いてはこちら、2022年に公開されたアメリカ映画です。

 監督はマーク・フォースターで、主演はトム・ハンクス。

 原作は『幸せなひとりぼっち』という小説になります(早川書房)。


 こちらの作品は、ヒューマンドラマです。

 定年退職をしたオットー(主人公)が、亡き妻を追って家でひとり自殺をはかるが、そこへ向かいの家に引っ越してきたばかりの夫婦が訪ねてくる。

 この出会いが、オットーに少しずつ変化を与えていく……簡単に言えばこんな話です。


 上記の説明だとシリアスに思うかもしれませんが、コメディタッチに描かれてもいます。

 ですので重くなり過ぎずに観やすいかと思います(個人的には重いのも好きですが)。

 また、潔癖症の神経質な中年オヤジをトム・ハンクスが実に上手く演じています。

 そこも見所のひとつと言えるかもしれませんね。


 決して派手さはない、この映画。

 物語は隣近所のみで展開します。

 しかし、心に訴えかけてくるモノがあるのです。

 そして観終わった後、あたたかい気持ちになる。

 そんな映画ですので、是非一度ご覧になっていただければと存じます。



『ムーンエイジ・デイドリーム』


 最後は少し特殊です。

 こちらは2023年に公開された、世界的ロックスターであるデヴィッド・ボウイのドキュメンタリーで、米独合作の映画です。

 

 デヴィッド・ボウイは、60年代後半から活躍するアーティストで、ロック史においてはグラムロックの先駆者です。

 グラムロックとは、わかりやすく言えば、日本においてのヴィジュアル系の始祖だと思っていただいて差し支えないと思います。

 ざっくり言えば「派手なお化粧をして行うロック」でしょうか。


 さて、肝心の映画の内容ですが、どちらかと言うとクリエイター向きの映画なのかな~と個人的には思います。

 それは言い方を変えれば、創作好きの人であれば、分野を問わず引き込まれるモノがあるのではないでしょうか。

 表現者としてのデヴィッド・ボウイの深い部分に迫っていく内容は、非常に興味深いものです。

 私は見事に釘付けになりました。


 なお、映画のタイトルは、1972年にリリースされたデヴィッド・ボウイの名盤『ジギー・スターダスト』の三曲目に収録されている曲名です(シングルリリースもされている)。

 このアルバムがまた超名盤なんです。

 これを聴かずして死ねるか!


 ちなみに私のスマホの待ち受け画面はデヴィッド・ボウイのイラストです。

 実は憧れの人なんです。

  


 ということで。

 今回は以上になります。

 みなさんも是非、映画を観て、現実世界から「月世界の白昼夢」にトリップしてみてはいかがでしょうか。

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