第19話

「···おい、うちに救急箱ってあったか?」


「···は?」


「絆創膏ぐらいはあったかって聞いてんだよ。」


「は??藍はそんなもん使わないでしょ?」



 ここでいきなりなカミングアウトになるのだが、僕と藍は同じ家に住んでいる。マンションの1室で、シェアのような感じで住んでいるのだ。



 救急箱だの絆創膏だの言われて、何となく嫌な予感はした。



遥斗はると先帰れ。」


「······」



 僕が皆に"解散"という前に部屋から出て行った藍。僕は慌てて部屋の中から藍の背中に向かって、「バイクは置いてってよ!」と叫んだ。



 そしてふうと溜息をつけば、案の定翼たちに囲まれる始末。



「···遥斗、何があった?」

「今日の藍いつもの藍じゃねーし。」

「あの女の子のことだよね?!何があったの?!」



 と3人から言われるも、「僕は何も知らないから」と笑顔で返しておいた。

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