スケベしないと出られないダンジョントラップから始まる異世界ダンジョン、異世界ファンタジー、略奪ハーレム

三流木青二斎無一門

第1話

迷宮内部では二つの勢力が衝突していた。

片方は白の制服を基調としたギルド・〈白聖騎士団〉と呼ばれている。

もう片方は、おたずねものたちが集まった非加盟ギルドである〈黒狗〉である。


この戦いは新たな宝塔の出現により、調査をしに来た白聖騎士団に対し、先月彼らから襲撃を受けた黒狗による復讐を込めた襲撃であった。

当然、宝塔の調査と言う名目で軽装備で来た白聖騎士団は、数で勝る黒狗に対し防戦一方の状況であった。


しかし。

押され気味であった白聖騎士団は、一人の英雄の登場により、勢いが反転する。


「クリストだッ!!」

「クソッ!なんでアイツが此処に!!」


そう叫ぶ黒狗のメンバーたち。

先月の黒狗襲撃事件にて、大量のお尋ね者を討伐した白聖騎士団の第四騎士団長であるクリストであった。


「みんな!俺が来たからもう大丈夫だ!!」


頼もしい言葉を口にしながら、彼は手に持つ宝遺物を構える。

宝塔の頭頂部で管理者を討伐する事で手に入れる事が出来る武器だ。

宝塔を維持する程のエネルギーを蓄える宝遺物は、並の武器では太刀打ち出来ない。


「食らえ!!」


そう叫ぶクリスト。

彼の持つ黄金の鑓は、エネルギーを放出すると共に周囲に稲妻の矛先を飛ばす。

宝遺物〈雷光統べる怒りの聖槍ライジングライトニング


雷撃を放つ事が出来る能力を持つ鑓を振るい、周囲のならず者を感電、瞬時に体液が沸騰し、臓器が感電による不全を発生させ、皮膚を焼き爛れさせながら絶命させた。


クリストの登場により一気に形勢が逆転していく。

これにより、調子付いた白聖騎士団の連中が意気揚々と迫撃していく。

クリストが登場した以上、現状の戦力では殲滅は難しい。

黒狗たちは三倍以上の勢力を持ちながら逃げ出した。


(クソが)


一人。

遠くからクリストの猛攻を見る男。

彼は武器である鉄鎚を強く握り締めた。


(英雄サマの登場だ、これで俺たちに勝機は無くなった)


歯軋りをする。

敗北をする事は何度も経験した事だ。

しかし、自分とは対照的な英雄を見て怒りが湧き出す。


「ムカつくんだよ、この野郎…ッ!」


逃げる黒狗たちを掻き分ける。

清く強く正しい立ち位置に居るクリスト。

そんな彼に対し、リッカは尻尾を巻いて逃げる気にはなれなかった。


「おい!!」

「無駄だ、辞めとけ!!逃げるぞ!!」

「一応は、あいつも〈宝遺物〉持ちだッ!!」


宝塔を攻略する事で得られる武具。

不正規に出回る裏市で高額売買されている中古の宝遺物では無い。

正規の手順で宝塔を攻略した末に彼の所有物となった〈宝遺物〉。


「なんだ貴様はッ!」

「丁度良い!我が剣の錆にしてくれるわ!!」


好戦的な騎士たち。

リッカは宝遺物である鉄鎚を地面に向けて叩きつけた。


「邪魔だ、ボケどもッ!!」


叫ぶと共に宝遺物の異能を解放する。

地面が太く鋭く鋲の如く、無数の槍衾と化して噴出する。

それは再構築された地面の一部。

更に、強度を高める様に物質の一部が硬質化している。


空杭穿つ創鎚スパイクパイル〉。

それがリッカの所持する宝遺物の名称であった。

槍が腹部に突き刺さる騎士たちを踏み台にして高く飛ぶ。

彼の行動を確認していた騎士が、地面を蹴って跳躍した。


「"杭殺し"のリッカ!賞金首だなァ!!死ねい!!」


空中では杭を生成する為の物質が無いと踏んだのだろう。

しかし彼を知る者ならば人間の生身もまた杭となる材料である事を理解している。

故に、この男は功績を焦った格下である事を察せる。

何よりも格下に舐められた事にリッカは怒りながら鉄鎚を相手の腹部に叩きつけた。


「誰だよテメェは!!」


めきめき。

ぐじゅぐじゅ。

体内の血肉が捥げる様な感覚。

骨が軋み、外側へ向く様に変形していく。


「ぐぶぁッ!!」


血肉と骨で出来た杭が騎士の背中から突き抜けた。

そのまま、リッカは空中を蹴った。

空気を地面の様に捕らえる事が出来る〈ジャンパー〉と呼ばれる技能だ。

そのまま、リッカはクリストの元へと近付くのだが。


「ッ!」


クリストと接敵する前に。

彼の場を遮る者の姿が現れる。

鋭い刃を向けられた事で鉄鎚を使い彼女の攻撃を弾く。

そして、クリストは自分の行動を阻害した敵を睨んだ。


「マスターに刃を向けましたね、クズ狗」


と。

酷く端麗な素顔をした少女だった。

背はかなり低いが、その豊満な肉付きは思わず性欲を促してしまう。


(クソが、騎士団長の側近かよッ!!)


苛立つリッカは彼女を睨んだ。

明らかにその手に持つ武器は宝遺物である事が理解出来る。

並半ばな戦闘では倒せないと、リッカは思った。


「リゼッタ」


クリストが彼女を一瞥する。

声を掛けると、彼女は振り向き、満面の笑みを浮かべた。


「マスター…今、私を名指しして…この様な状況で、私を心配して下さるのですね…とても嬉しいです」


くねくねとしながら息を荒くしている。

妄信的、いや、盲目的な行動は正に戦場に迷い込んだ乙女の様だった。


「一度だけ言う、退け、じゃなけりゃ、死ね」


相手が幾ら、綺麗な顔をしていようがどうでも良かった。

リッカはクリストが許せなかった。

彼を英雄視するものたちを嫌悪し、そして彼に憧れを抱く彼女も同様だ。


「二度は言わなくて結構です、退きませんので死んで下さい」


二振りの小剣。

宝遺物を逆手で握り締めながら構える彼女。

リッカはそんな事関係無く鉄鎚を構えた。

彼女を倒してクリストを殺す。

それだけが、リッカの総てだった。


先に仕掛けたのはリゼッタだった。

地面を強く蹴り走り出す。

空間を捉える事の出来る彼らは独自の移動手段を持つ。

〈ジャンパー〉は空中移動を可能にする技。

彼女が発動したのは空間を足で踏み締め圧縮。

空間が元に戻る際の反動を利用し加速させる〈リコイラ〉である。


速く飛び出たリゼッタ。

しかしリッカは反応していた。

彼女を狙って…は居なかった。


(小剣を構えて、重心が足に向き過ぎ、接近戦が得意って言ってるようなもんだ)


彼が鉄鎚を叩いたのは地面だった。

これにより、地面を再構築させ、地面から鋲を周囲に生やす。

リゼッタは相手の攻撃に加速した状態で突っ込む事になる。

だが、彼女は止めようとせず、更に加速して突っ込む。


(突き刺さっても良い、騎士団長ナイトマスターの為に命が散れるのならば!!)


相手の攻撃を敢て受け、油断した隙に自身の宝遺物で殺す事を算段していたのだ。


(〈這潜る蛇の影牙ハイドバイト〉で鋲の隙間を潜り突き刺すッ!)


宝遺物を解放する。

彼女の体に鋲が突き刺さろうとした、その瞬間だった。

リゼッタは、地面を踏み締めた時、違和感を覚えた。

それと同時、周囲の時間が停滞していくのを感じる。


「えッ!?」


ダンジョンには良くある、トラップである。

条件を達成する事で、対象に災害を齎す。

選択された対象は肉体が強く光り出した。

どうやら転移型のトラップである事が分かるのだが。

トラップの対象者は、リゼッタ以外にも居た。

そのすぐ近くに居た、リッカもトラップ対象者として選択されたらしい。

彼もまた同じ様に肉体が光り出す、そして二人は視線を合わせながら思う。


((これは一体、何の効果を持つトラップなんだ?!))


転移すると言う事は、モンスターが根城にする巣窟へ移動されるのか。

それとも、転移と同時に即死する様な部屋へと送られるのか。

〈白聖騎士団〉と〈黒狗〉が相対する空間。

其処に、二人の相反する属性を持つ者同士が消えた。



そして。

先ず最初に目覚めたのがリッカだった。

眼を開き周囲を見回すと、白い部屋だった。

壁の角には植物が生えていて、ピンクと紫で出来た色をした花だった。


「なんだ…ここ、は」


周囲を見回した際、ある事に気が付く。

リッカの宝遺物が無かった、いや、それだけじゃない。

彼が身に着けていた衣服が無く、真っ裸になっている。

更に、喉元に首輪の様なものが繋がっていた。


「なん、じゃ…こりゃッ!」


首輪には鎖がついている。

それを手繰る様に視線を向けると。

少し離れた位置に、真っ裸になった女性の姿があった。

それも臀部をリッカに向ける様に、正座をした時に倒れた様に気絶をしていた。


「なッ…」


リッカが驚いたのは、裸の女性がいる事、では無い。

問題なのは、裸の女性が何者か、と言う点である。

そしてそれはすぐに解決する。


「ぇ…あ…っ?」


呆然。

自分が今何処にいるのかを考えている。

次に周囲を見回し、次に首輪が首に繋がっている事を確認。

鎖が何処に繋がっているのかを探すと、その先にはリッカが居た。

裸の女性、その正体は、敵であるリゼッタ本人だった。


「なッ!クズ狗!!」


そう叫び後方へ跳ねる。

しかし、二人は鎖で繋がれていて、首輪が引っ張られてリッカが彼女に近付いた。


「ぐぉッ!」


首を引っ張られて、リッカは思わず天井を仰いでしまう。

そして、リッカはそこで巨大な目が天井から此方を覗き込んでいるのを発見した。


「ッ!おい、こりゃ、まさかッ!!」


「私のはだかを…ッ!マスターにすら見せた事の無いからだをッ!!」


怒りを抱くリゼッタだが、そんな事を無視してリッカは舌打ちをする。

面倒な事になったと、言いたげに、リッカはリゼッタに指を上に向けた。


「最悪だ、おいッ!〈神の視姦〉じゃねぇかよ!!」


トラップの名前を口にした。

それを聞いて、リゼッタもまた口を閉ざす。

〈神の視姦〉

最上級ランクのトラップであり、元々は神の試練とも称される苦行である。

〈神の視姦〉は性交と出産の神が元となる神の試練である。

男女一対となって選択され、その場で性交させる、と言うものだ。

無論、神の試練と銘打つ為、条件が満たされればその分の恩恵を得る。

だが、逆に神の試練を達成出来なかった場合、最低でも死ぬ事が確定してしまう。


「神の…視姦?」


彼女は理解していないらしい。

リッカは簡単に説明をする。


「あー…つまり、ヤらねぇと、出られねぇってワケだ」


そう言うと、彼女は顔を赤くした。


「私の体も、心も、マスターのものですッ!誰が貴方なんかとッ!」


胸を手で隠しながらリゼッタは紅潮しながらリッカを睨む。

リッカはここで自分が死ぬ事は嫌だった。

しかし無理矢理手を出すのも、自分のプライドが邪魔をしてそれが出来ない。

ならば。

リッカは首輪に着けられた鎖の長さを見て、ゆっくりと壁の角に咲く花に近付く。


「やらなきゃ死ぬ、そんなのゴメンだ」


だから、リッカは花を思い切り叩いた。

その衝撃によって、花から大量の花粉が周囲に飛び散った。

リゼッタは、リッカの行動に一体何をしているのかと馬鹿を見る眼をした。

だが、花粉を吸うと同時、彼女の背筋に電流が奔った。

それは軽く気をやった時と同じ感覚だった。

即座に彼女は、その花粉が媚薬の様な催淫性を持つ事を察した。


「にゃ、にゃにを、ッ!」


酩酊、混乱、発情、様々な状態異常が彼女を襲い出す。


「断言、してやるッ、俺から手は出さねぇ」


部屋の中央で座りながら彼女を睨むリッカ。

彼も同じ様に花粉を吸い込むのだが、彼は理性を以て我慢していた。


「テメェが我慢すりゃ、…ッ尊厳を抱いて死ねるぜ?」


卑下た嘲笑を浮かべるリッカ。

もどかしい感情を抱くリゼッタは、最初は我慢できたのだが。

何とも情けない事に、ものの十分もせず、屈してしまった。
















ちゅっ…ちうっ…えぁ…じゅるっ…


ふっ…う、ぅうぅうっ


ごめんなさぃっ、ますたっ、も、がまんっできない、から





っ、かん、ちがいしないで、くださいっ!


わたしのからだは、ゆるしてもっ、こころは、ますたーのっもの   ?!


ぁんっ!!


ひ、ぃっ、あぁっ、こわっ、こわれっきぃ、ゅんっ!!


だめ、それは、ゆるして、なっっ~~~~!!!



ぃぃぃッゆるして、くださっ、だめ、またっ!ッかみ、たづなみたいに、にぎらないっでッ…っ~~~!!


ふぐ、ぇぐ…っますたーっ、あなたのことだけ、かんがえてるのにっ!きえちゃう…わかんなくなるぅっ!


~~~~~~ッんにゃあッ!!




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