彼の詩
彼の詩
【窓の雨雫と僕たちの話】
ゆっくりとひとつ吸って、ゆっくりとひとつ進む。
少しずつ膨れあがり己の重さに耐えかねた其の水滴はガラスを伝い落ちていく。
下に在った水滴を吸っていく度にひとつひとつ進んでいく。
順路はないはずなのに、その様子は導かれているようだ。
ゆっくりとひとつ吸って、ゆっくりとひとつ進む。
そして同じ水滴に出逢う。
当たり前かのように
そうなることが自然かのように
ふたつがひとつになる。
ふたつがひとつになった瞬間、一気に堕ちた。
一緒になる途端、そこで終わる。
ひとつに重なったお互いの重さを支えられずに堕ちるのだ。
『私達がひとつになる瞬間はきっとこういう結末だ』
だからね、と
ゆっくりと視線を向けられ、ゆっくりと告げられた。
貴女の謝罪の言葉と雨音を聞く。
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