気にしいの設定厨によるファンタジー論

海堂金太郎

魔素って何?魔力って何?魔石って何?てか辺境伯強くね?

 はじめに、これは『ファンタジー』という現実には存在しない空想上の物事について馬鹿真面目に考える大人、その脳内を文章化して『創作論』と大層な名前を付けただけのお馬鹿な作品です。


 だから「暇人かよ、仕事しろ」と正論を叩きつけられたら泣いちゃいます。思ったとしても一旦心の中に留めておいて、それから童心に帰って楽しみましょう。


 そしてもし読者様の中に、作者のファンタジー論に対して「なるほど」「使えるな」と思った書き手側の方がいたのなら。一緒になって『現実的なファンタジー世界』を創って、広めていきましょう。カクヨムコン10で暴れましょう。



 ◇◇◇



 作者「魔素、魔力、魔石、魔法…みたいに魔が付くファンタジー用語はいっぱいあるけど、何となくこんなもん、こういうものだからって考えずに使うのはもったいないと思わない?」


 友人「あぁ確かに。でもなーろっぱ(小説家になろう+中世ヨーロッパ)の世界観が読み手側にも浸透しているからわざわざ説明する必要ないんだよな」


 作者「そうなんだよ。魔素は空気中を漂っている力の源的な何かだろ?んで、魔力は魔法のもとになるエネルギーで、魔法って言うのは科学的な過程をぶっ飛ばして超常を発現させるんだ。何もないところからいきなり火炎放射!…みたいな」


 友人「うんうん、そんな感じでファンタジーの魔法はなんでもアリだもんな。でもさ、それじゃリアリティが薄れるというか、世界観が浅く感じちゃうこともあるよな。もっと理論に一本筋が通ってたら、面白くなると思う」


 作者「そうなんだよ。それでさ、俺はこの魔素、魔力、魔石の関係をもう少し掘り下げて考えたんだ。例えば魔素ってのは酸素みたいに空気中に漂っていて、助燃性を持つんだよ。つまりただのエネルギー源じゃなくて、燃焼や生命維持を促進する要素ってわけ」


 友人「へぇ、助燃性か。それってどうやって生物が利用してるんだ?」


 作者「ここがミソで、生物には『魔臓』って器官があって魔素を取り込むとそれを液体状の『魔力』に変換するんだ。この魔力が体内を巡って筋力じゃなく魔力で活動するのが魔物たち。だから魔物は魔力が切れたらもう動けないんだ」


 友人「なるほど。魔力が液体って設定は面白いな。血みたいに流れてるわけか。それがどうやって固まって『魔石』になるんだ?」


 作者「魔力が使われずに余ってると、凝固して固体化する。これが『魔石』。しかも、魔物の心臓部分にできるから、魔石は実質的にその魔物の生命活動の核になるんだよ。魔物が倒れると、その残りの魔力が全て魔石に集まる」


 友人「あぁ、だから魔石は冒険者にとって貴重な戦利品なんだな。つまり魔素を取り込んで変換して、活動に使わないと固まるってことか。魔素は気体、魔力は液体、魔石は個体…おぉ、なんか上手く纏まったな」


 作者「だろ?…で、ここから人間と魔物の違いを描いてみたんだけど、人間は魔素と酸素の両方を使えるんだよ。完全に魔素依存ってわけじゃなく、魔素が不足してる場所でも酸素を使って生きていける。だから魔法も使えるけど魔物みたいに魔素だけに頼ってるわけじゃないんだ」


 友人「ほほぅ、それってかなり便利じゃないか?状況に応じてエネルギー源を使い分けられるのか」


 作者「そう、それが人類の強みなんだ。適応力が高い分、個の強さでは魔物に劣るんだけど、その柔軟さが文明を発展させてきた理由ってわけ。しかも魔素の多い場所じゃ魔法も使いやすくなるし、少ない場所じゃ技術や筋力が生きてくるから環境に合わせた生存戦略が取れるんだよ」


 友人「そう考えると、魔物は強力だけど環境に依存する生き物なんだな。魔素の少ない場所では活動が制限されるってことか」


 作者「その通り。だから人間社会の大都市は魔素の少ない場所に発展しやすい。魔物が住みにくい環境だからこそ人類の拠点になっていくんだ。逆に言えば魔素の濃い地域は経済の中心から遠く離れた辺境と呼ばれるようになる」


 友人「…あ、ファンタジー作品の辺境伯が馬鹿みたいに強い理由の説明に繋がった。辺境伯は人というより魔物に近い存在だから生物的に強いんだ」


 作者「そういうこと。これで国境付近で戦争を起こさなくても辺境伯を強く描けるようになったな」


 友人「それだけじゃない。辺境に魔物が多い理由も説明できるようになった!…すごいな、魔力とか魔素みたいなファンタジー入門の話をしていたのに気づけば他のファンタジー設定にまで理由付けがされてる」


 作者「ふふん、そこからちょいと話を発展させてみ?魔物に近づくってことは魔物化、若しくは魔人化っていう異世界あるあるを登場させることも出来る。得体のしれない薬物を投与しなくても強力な敵役が出来たな」


 友人「おぉ…想像が広がっていくぞ!」


 作者「それだけじゃないぞ?…ただ、長くなると読者さんが飽きちゃうから今日はここまでにしとこう」


 友人「えぇ~…まぁでも仕方ないか。でもすごいなお前、いつこんなこと考えてるんだ?」


 作者「通学の電車内と大学の講義中、あと飯食べるときも考えたりしてるな」


 友人「…ずっと?」


 作者「ずっと」


 友人「…友達と喋ったりしないの?」


 作者「いない」


 友人「…俺は?」


 作者「想像だよ」

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