マジッククロニクル•領主の娘?特別扱いは大嫌いな可愛いものが好きな女の子です。
@arumu2525
第1話 世界の勉強、成長には学問が必須!
大陸に五つの領地があり、それぞれの領地に領主がいる。はるか昔はそれぞれの領地を広げるべく互いに争いや、時に暗殺などもあった程だ。
表向きに争いは絶え、大陸の中心に作られた神の力を借り統治をする。中央領地が神託により他の四つある領地は互いに争いを禁止とした。
これまでは領地を広げる事で資源の増加を目的としていたが、中央領地が全て解決した事や、人口低下につながる外敵、魔生物を退ける力も授かり、結果的に全ての領地は争いをする理由が無くなり、魔生物との戦いに集中できるようになる。
大陸の外周、各領地の外側に広がる土地、不自然な自然が広がり、有り余る資源の宝庫、理不尽な世界、どの領地も等しく抱える危険な領域だ。
各領地の近くに資源があれば、土地があれば、他領と戦う必要性は無くなる。それは基本的な考えで、それをせず他領から奪い合う理由がある。魔生物として称される魔獣と魔物、当時の人は魔力がなく、魔法の使用は殆どできなかった。
魔力で身体強化された魔獣、魔力を用いて奇跡の行使…魔法を使う魔物、武器で戦うのは勝ち目がほとんどなく、外界と称した魔生物の住処は得られる資源より大量の悲劇を出し、不定期な襲撃を受けていた。
領地が奪われる可能性、それは十分に考えられる為、各領地は外側ではなく他領を奪い場所や人の確保を進めていたのだ。
手を取り合う人達が争い、退けるべき魔生物になす術なく蹂躙される悲劇、詳しくは伏せられているが当時の中央領地が神に神託を仰ぎ、神は人に慈悲を与えた。
その一つが魔力、全ての領地に魔力を与え、大地は豊富な資源を生み出し、暮らす人々も生まれながらに魔力を得た事だ。
枯渇していく資源問題は解消、魔生物に魔力を得た人達は魔獣が行う身体強化や魔物が行う魔法を得た魔力にて再現する事が成功、万が一の時に戦う術を得たのだ。
同時に中央領地は周囲の四つある領地を均等に分けた。以前のように戦うことを禁じ、物理的な障壁を作ると領地と領地を隔てたのだ。
はるか上空まで高く、地面の下を掘っても続く障壁は神の恩恵に等しく、魔生物が潜む外界と領地を隔てる事も行ったのだ。
慈悲深き神に感謝する為、領地同士の奪い合いを禁じ、外界の脅威が遥かに減った事で文明の発展と新たな仕組み、それぞれが手を取り合う誓約の発案がされたのだ。
中央領地で定めた誓約は全ての領地で適用される。神との神託を可能にする神聖な場所に白く光る石碑を置き、魔力にて記した誓約は障壁内の全域に効力を発揮させる。
その一つに争いを防ぐ目的で、各領地は中央領地を経由して移動を行う。物理的に障壁で隔てられた事でそれ以外の手段は無く、中央領地の特性上限りなく土地が狭い為、中立的な立場で各領地が手を取り合うようにと定めたのだ。
移動時に税収を行う事で領地を維持する。
経由する場所が限られる事で犯罪者の捕縛をしやすく、怪しい人を取り押さえる目的もある。
神の恩恵にて土地が得た魔力は各領地別々の特産品を作り出し、結果的に少ない資源を手に入れるなら領地の特産品を他領で売る必要や交換が必要となる。以前なら争い略奪を考える者が居た仕組みも今となっては均等かつ平等で、わざわざ危険性を作り奪う必要はないと、中央領地を経由する仕組みとなったのだ。
誓約は他にも各領地で発生した問題は極力領内で対応する事や、障壁は壊れたりしないが維持する仕組みが難しく、適正を満たす者が領内に存在する時は速やかに中央領地へ報告する。
中央領地の中でも秘匿中の秘匿、障壁の維持にはそれだけ重要性があり、同時に神の恩恵を保つ責務がある。選ばれた者は中央領地の障壁管理を任された封聖教会に籍を置き、様々な知識などを得て障壁を維持する責務を持つ。
同時に障壁は魔生物に破られる可能性があり、各領地はそれぞれの接する外界にて魔生物の対処が誓約に記される。
魔力を得る前には解明できなかった不定期の襲来、それは魔力が一箇所に集まりすぎた時に生じる魔力歪みの影響で、何かしらの要因にて歪みが発生した場合、距離関係なく魔生物は引き寄せられ、歪みの元となる莫大な魔力を得ようと争い、残った魔生物が凶暴化する。以前は多少の争いが起き、その後の飢えを満たすために領地を蹂躙していたが、今は障壁にて遮られ最後の一体になるまで争う事となる。この時の力は障壁を壊す可能性があり、その前に対処する必要が出来たのだ。
すべての障壁に付近で魔力が集まる際は中央領地に伝わる仕組みがあり、各領地は知らせを受けた時点で付近の魔力歪みを解消もしくは魔生物の対処を行う事となる。
魔力歪みは原因が様々で、異常な魔力を持つ魔生物が現れた場合など、明確な原因がわからない事の方が多く、長期間の遠征で乱れが治るまで外界にて観測する必要がある。この時に必ず各領地の領主は同行する。原因不明の魔力歪みが起きた場合は集まる魔力を散らす必要があり、神より領主は紋章を身体に授かり、力の解放で消滅できるからだ。
それにより領主の血筋は代々生まれた時より魔力と紋章を身体に宿し、幼い頃から将来の遠征を兼ねた修練を重ね、外界にて戦う責務を生じる。
それと同時に各領地の領民は遠征に選ばれた場合拒む事を許されず、一定の身体力をつける必要がある。中央領地が発足している教会での学問、魔力を利用した身体強化や魔法を学ぶ魔法学園の設立で各領地の戦力を強化した。
領主の血筋は別としても領民の中で戦いを嫌う者も現れ始め、中央領地にていずれの領主や領地の意図を含まない独自の組織、冒険者組合が設立されたのだ。
誓約には各領地が接する歪みを対処するのだが、冒険者組合は賃金を得て傭兵のように各領地の歪み対処を行う組織、元々は争いが繰り返された時に作られた傭兵組合が環境変化で名前を変え、魔力歪みから問題を解決するありとあらゆる依頼を受ける組織に変わったのだ。
今では各領地に支部を持ち、領内の大きな街に存在する何でも稼業、障壁があるから領内は安全とも限らず、土地が魔力を持ち始めて各領内で小規模な魔力歪みが発生したり、障壁の内側に地面の下…地下を経由した魔力歪みは仕組み不明なダンジョン化を発生させる。ダンジョンは魔力が濃く常識も通じない領域、不定期に変化する構造、一つとして同じダンジョンがないほどバラバラ、魔生物を魔力は生み出したりと危険な反面、魔力による資源や時に道具など魔力を有する魔法装備も生み出される。
鉱石、草木と地下に作られる神秘は各領地に存在しない物が多く、得られる富も多い。冒険者組合を設立した際に各領地は冒険者の主な目的をダンジョン探索という冒険と定め、他はある意味おまけに近く、それだけ手に入る全てが特別だと示している。
得られる富が多ければ多いほど危険、ダンジョン内部で死ぬ者も少なくない。結果的にダンジョンをより成長させる要因にも繋がり、各ダンジョンは各領地と冒険者組合で管理する誓約が決まる。一つは報告義務、定期的に領内を調べ、異変があれば報告する事。ダンジョンは等しく地下に発生するが、入り口は様々で洞穴のような場合も扉などを形成したり、時には突如家のような入り口ができたりと、決まりがない。だからこそ、領内の巡回は必須で各領地が難しい時は冒険者組合に依頼を出したりする。
未発見のダンジョンの場合、ダンジョン探索に制限はないが、既に発見済みで内部を探索済みのダンジョンは制限が発生する。
ダンジョンを不用意に成長させない理由もあるが、壊さず残す理由もある。魔力がそれほど歪みを生じてない場合は生成される特殊な道具、資源などを得る目的で残される事や領地の中で魔生物と戦う訓練に利用したりと利点も多い。反面危険なことには代わりない為、領地や冒険者組合が管理をする。だが、管理が不適切の場合、内部で生成され続ける魔生物が地上に流れる恐ろしい事も起きたりと、ダンジョンを見つける理由の大半が知らず知らずに作られたダンジョンより魔生物が襲ってくる事を恐れて巡回する。危険なダンジョンの場合はダンジョン内部に存在する魔力核…ダンジョンコアの破壊で消滅する為、判断を領地や冒険者組合が行う流れだ。
広く大きな部屋、高級な調度品や高価な魔法具が置かれて過ごしやすい環境、自習のように一人机に向かって大きく分厚い本を手に、覚える目的で文字を読み上げる少女がいた。
『もうここまでで良いよね…』
そう、今まさに大陸の領地に関する歴史や責務、中央領地に存在する封聖教会、冒険者組合の歴史と行う内容を覚えるために読み学習する子供、それが私なのです。そんな事を考え誰かに向かって言うことはなく、心の中で思う。
っと、変な事を考えながらじゃないと文字が多いの読んだり覚えたりなんて無理、覚える事多いし、剣技も鍛錬したりと大変な毎日だ。
うんうんと頷くように頭を動かし、下手に言葉を発しない理由は部屋の出入り口となる扉の横に厳しい専属メイドのシルヴィアが待機しているからだ。
飽き飽きした事で両手両足を伸ばし貴重な本を投げ捨てたい気持ちが芽生え始めている。
私の名前はクラウディア、長々と歴史を読み確認している理由は将来魔法の学舎…魔法学園に入学したい理由があるからです。
魔法学園の入学には軽く歴史が試験で出るだけですが、私は領主の娘でもあるので、領主の父様と姉様もいるので直ぐには必要ないとしても血筋ならば歴史や責務も覚えるようにと、魔法学園に入学を目指す条件として毎日毎日勉強してます。
勉強自体は嫌いではないけど、文字が多いのが苦手、読んで理解するより身体を動かす方が私は好き、朝と夕方の鍛錬は気分転換で大好きです。
背丈は小柄、髪は比較的長め、二箇所の髪留めに束ねられた薄い赤色、両目も珍しく薄い赤で、薄めのピンク色をした上下一式、見た目だけならどこにでも居るような女の子だ。
魔法学園に入りたい一心で領主の父様にお願いした結果、領主の娘として恥じない知識と力を得れば認めると言われて勉強の量が増えた。
知らないことを知るのは案外心地よく、幼く自我が芽生えた時は領主の義務も責務もわからず、幼い子供に将来の夢をくれたのが一人の魔法使いでした。
魔法学園で様々覚えて卒業後は各領地を渡り歩く有名な人で、その人に魔法を教えてもらう度に魔法学園を夢見始めたのが発端でした。
魔法を扱う者なら名前を聞いたことがある特殊な魔法使い。独自の魔法を作ったり、魔法の仕組みを調べ無詠唱魔法を可能にした希代の魔法使いだった。
長い歴史に詠唱を縮めることができても無詠唱は現れず、まるで他の人とは違うように魔法学園の方針を変えるほどの貢献をした。
特別扱いは本人曰く嫌いで、それ故に魔法学園がある中央領地より飛び出て、気まぐれの性格もあり気に入った人にしか教えない変わった講師、お眼鏡にかなった者にはしっかり教え、一通りの基礎と応用を伝えたら旅に出るという暮らしで各領地を回っている変わり者だ。
人伝に大きくなる話とも違う、正真正銘の魔法使いとして行く先々で逸話を作っていたが、一年ほど前より消息不明となった。
噂では魔法学園で教員になったとか、各領地の外側となる外界に旅立ったとか、秘密のダンジョンを探索しているとか、目撃情報や移動情報が無くなると勝手な噂が伝わるのだ。
私は今以上に生まれを呪い領主の娘なんてなりたくなかったと考えていたけど、師匠に出会ってから考えも変わったし、剣技が得意で魔法は苦手が結構使えるまで成長した。だからこそ、教わった事を魔法を日々鍛錬する事で教えてもらった意味を私自身が知りたいと思う。
気まぐれで変わり者と後で知ったけど、何故私に魔法を教えてくれるのか一度も話してくれなかった事、断片的にしか家族の話や生まれ育った話をしてくれない秘密主義な師匠は秘密も多い。だから、私は魔法学園に戻っていると勝手に考えている。入学して再会したいと思うけど、仮に再会できなくても魔法と関わり合いを持ち続ければ何処かで会えると、学んだ魔法を世に知らしめたいと思っているのだ。
「クラウディアお嬢様、ご自分の世界に入るのは構いませんが、無言で様々な仕草をするのはおやめ下さい。」
扉の隣に待機している専属メイドのシルヴィアは身振り手振りを指摘したのだ。
冷たい氷のような瞳、何者も寄せつけない気配、通常のメイドと全く違う騎士がメイド服を着ているような出立、実際に剣技の鍛錬を相手するだけあり卓越した剣術と幅広い視野、身長が高い事も含めて怒らせると恐ろしい相手だ。
「身体動いていた?」
「はい、結構動いてました。両手両足を伸ばした辺りから、恥ずかしいより怖いぐらいに…」
「うぐっ、シルヴィは私の一部みたいに考えてるから気にせず動いたのかな?人前ではやらない…と言うより恥ずかしくて無理だから安心してね!」
「クラウディアお嬢様は本当に何というか…」
「何というか?」
「いえ、失言に近いのでお気になさらず、それよりも苦手な歴史関係と領地運営は覚えましたか?実技は問題ないでしょうが、歴史は苦手ですので、覚えるまでは毎日繰り返し声に出して読んでもらいますので、覚えて下さいね。」
「時々私の扱い雑だよね!本当の事だから良いけど、まぁシルヴィの特別扱いしないの私は大好きだから良いけどね!」
私を私として評価してくれる。
領主の娘として、姉様の妹として、毎日鍛錬と学問を繰り返して覚えた事や出来るようになった事、それらを見た人達は『凄い!素晴らしい!流石は…天才だ!』と父様の機嫌を取り、領主の血筋ならできて当然と言うような言葉に拍手、私に媚びへつらうような飾り言葉と天才の一言しか評価されない。
私自身が身に染みて理解できる事、人の数倍いや数十倍は鍛錬が必要、勉強もその一つだからこそ、同じ場所を繰り返し覚え直す。
それをしっかり言葉に出すのは専属メイドのシルヴィと師匠、師匠は辛口だけど、駄目な箇所を指摘してくれる。シルヴィも同じでダメならダメと他の人とは違う扱いで見てくれる。だからこそ、私は今も諦めずに学び続けるのだ。
「クラウディアお嬢様、誰彼構わず笑顔でそのような言葉を言わないで下さい。変な誤解や好意をもたれかねません。人として恥じない言動をやはり学んでもらう必要がありますね。」
シルヴィアは目線を逸らすように深くため息を吐いた後、そう言うと作法の再確認をするべきだと、鋭い目つきに変わり近寄る。
あれ、あの目つきと殺気は本気だ!!
「な、なんで!!褒めたのに!」
私はビクッと身体を跳ねさせ、両手を必死に動かし宥めようとした。
「ふふっ!冗談ですよ、クラウディアお嬢様が揶揄うので仕返しです。さて、休憩は十分でしょう、ここからは私が僭越ながら授業を致しましょう。本を取られた事気がつきませんでしたね、後でお仕置き確定です。」
シルヴィアは近くに来るが、そのまま机の正面に移動する。覚えたことを問題として出し答えれるかを確認するようで、机の上に置いていた本をいつの間にか手に取ったようで、気が付かなかった事を挑発的に言ってきたのだ。
「な、な、な!!うがぁぁ!!」
私はシルヴィの手に持っている本を見て、言葉を失うように抗議を仕草と唸るような声で示し、それを見ていたシルヴィは面白いのか、軽く笑みを浮かべた。
シルヴィの関係はこんな感じでいいのだ。
時折見せる笑顔、冷たい言葉の裏腹に優しさがあり、私がニコッと笑顔を見せるたびに表情が緩み目を逸らす。全ての表情が他の人と違う新鮮で私も釣られて笑顔になる程楽しいからだ。
強いて一つ言うなら、お仕置きが物理的な事だろう、夕方前に模擬戦を行うのだが、結果的に出題された問題が答えれず、この日の模擬戦は徹底的に打ちのめされてしまったのだった。
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