大切なのは魂の在処

そこには、花があった。月明かりに照らされていないのに、白い光彩を発している。


眩しい。


その花は、脅威に怯えて抱き合う妻と娘の亡骸の上で光っていた。


エーデルワイス、おれの大切な思い出。


両手には温もり、その温かさは、おれの生身の心を温める、優しい光。きっとここには、家族の想いが集まっている。



おれはそっと、その花を両手で包み込んだ。


温もりを分け与えるように。




ロクト、わたしに願いを込めて。新しい世界に連れて行ってあげる。


フウカ、おれの願いを叶えてくれ。

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