いつの間にか大事なものは消えていく

いつの間にか大事なものは消えていく

晩御飯ってお腹空いてたほうが美味しいでしょ

夕飯に限った話じゃないと思うけど、で？

夕飯前に河原で散歩してお腹を空かせてからご飯を食べるようにしているの。運動の流れでご飯に臨むのがいい流れかなって。

いいんじゃないかな。運動を前置きすることでご飯が美味しくなるんだろう？

河原の土手にある道をずっと歩いて適当なところで戻りに入るんだけど、大体いつも折り返し地点の近くにあるコンビニで、ついつい肉まんとか買い食いしちゃうんだ。

おい、夕飯どこいった。

かれこれ5年くらい続けてたんだけどさ、つい先日行ったら閉店してたんだよね。

意外と長い。

実際空きテナントになっちゃうと、あ無いんだってちょっと寂しいというか、空虚な感じがしてどんなもの買ったけな、ペプシとかモナカとか、けどもう買えないんだよなって、入れないんだよなって立ち止まって考えちゃったよ、しょうもない話だけどさ。

コンビニなんてどこにでもあるだろ、散歩中は少し買いにくくなるかもしれないけど。

違うよ、一回こんな所にコンビニあるんだって目にして、ちょっと入ってみてせっかくだし何か買うかってレジ横の唐揚げ棒買って、この間も来たしなってまた入店して、帰りは歩くからカロリー消費するしなってポテチの大袋手にとってって、何となく店員の人の顔を覚えたと思ったらいつの間にか辞めちゃってて、色々な翌日には忘れてしまうような歯牙にも掛けないような時間を繰り返して、それでもどこか当たり前に明日も行くんだろうなって考えることもなく自然と散歩と一体化して意識の奥底に根ざしていたような場所がつい最近なくなったの。他の人は亡くなったんだふーんかもしれないけど、まったく同じ散歩ができないってことが、何だか穴が空いた気がするの。

何だかコンビニ愛？　みたいなやつかね。

別にコンビニが好きだったとかじゃない。当たり前が覆ったことが少しだけ物悲しいっていうか、うまく言い表せないけど。

どんくらいの頻度でとか、どんな気持ちでとか何を買ったかとか自分は何も知らない。だから、正直君の気持ちは慮るしかない。けど、気にしているのなら明日一緒に散歩に行こう。道すがら、話したければ話してくれればいい、どんなことがあったとか。

別に話すことなんてないよ。

構わない。私も改めて感じたいんだよ、当たり前に君と歩くということを。