第39話

まりあの家に到着するとすぐに翔人に手を引かれ、リビングに案内された。

少しまりあを手伝ってからにしようかと思ったのだが、自分は大丈夫だから翔人の相手をしてあげてと言われたので、そのまま一緒にDVDを見る事に。

翔人がセットしたのはSTARWARSのエピソード3。

ダースベイダーが好きだと言っていたので4から見るのかと思っていたが、これも予想外だ。




「いいのか?ダースベイダーは最後にしか出ないぞ?」


「ねぇおじさん、ダースベイダーは好きな人を助けたくてダースベイダーになったんでしょ?」


「まぁ…そうだなぁ?」


「もしママに何かあったらおじさんもダースベイダーみたいに助けてくれる?」


「もちろん、ママだけじゃなくて翔人も助ける。あいつはルークも助けたからなぁ」




この子の中でどうやらダースベイダーは優しい父親という存在なのかもしれない。




「そうだ翔人、お前に話がある」




隣に座っていた翔人を膝の上に乗せ、昨日のように耳をかしてくれと…




「ママも俺の事が好きらしい」




聖也の言葉にまたも嬉しくなったのだろう。

昨日のように翔人は彼に抱き着いた。

幼いながらも自身の母親の幸せに喜びを感じているようだ。




「ママとおじさんラブラブなの?」


「そうなるなぁ」


「この2人みたい」




見てとテレビを指さす翔人に聖也も顔を上げると、そこにはアナキン・スカイウォーカーとパドメの姿が。

翔人はこの2人を聖也とまりあに重ねて見ているのかもしれない。

だからわざわざエピソード3を選んだのだろう。




「ママお姫様みたい」


「綺麗だもんなぁ」




その後2人の会話は段々減っていき、その内お互い静かになりそのままDVDに集中した。

翔人を膝の上に乗せたままDVDを見ている彼の姿はまるで父親そのもの。

もっと早くこの人と出会っていたら…そうしたらあんなに辛い思いをしなかったのかもしれない。

一瞬そう思うも、あれだけ辛い思いをしたから彼と出会えた…恐らくこっちのほうが正しいだろう。

やっと巡り会えた運命の人……




「終わったのか?」




夕飯の準備を早く済ませ2人の元へ駆け付けるまりあ。

翔人は疲れて眠ってしまったようで、ご飯の時間までそのまま寝かせてやる事に…また2人になったなと言われ少し恥ずかしくなったものの、大好きな彼の肩にもたれかかった。

聖也も彼女の腰に手を回しそのまま抱き寄せ、2人は仲良くDVDを鑑賞した。

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