第38話

その後2人は聖也の住むアパートへ向かい、思う存分互いに触れ合った。

顔を赤くし乱れた呼吸のまりあはとても綺麗だった…そんな2人は今密着し向き合った状態で座っている。




「好きだぞ?まりあ」




行為中も何度も口にされた好きという言葉。

やはり素直に嬉しかったのだろう…彼女は満面の笑みを浮かべ聖也に抱きついた。

彼もまりあの背中に手を回し優しく抱きしめた。

ずっと触れたくて、ずっと手に入れたいと思っていた愛しい人。

最中も愛おしくてたまらず自分の抑えが効かなかった。

今まで抱いてきた女の中でもまりあが一番だと彼は感じていた。




「家にはいつでも来ていい」


『そんな事言われたら毎日会いたくなるじゃないですか』


「それは俺も同じだ」


『家にも来てくださいね?ご飯だって毎日作りますから』


「嬉しい事言ってくれるなぁ」


『普段料理はされるんですか?』


「いいや。ほとんど外で済ませる」


『駄目ですよそんなの。じゃあ尚更家に来てください、美味しい物いっぱい作りますから。もしよかったらおかずの作り置きぐらい用意しましょうか?』


「まりあがいいのならそうしてくれると助かる」


『私は構いませんよ?むしろこれぐらいの事はさせてください』


「ありがとう」




2人は身なりを整え、作り置きの分と今夜の夕食の分の材料を買いに早速スーパーへ向かった。

今晩も聖也は家で食べて行く事になり、何か食べたい物はあるかと尋ねると意外にも彼は親子丼と答えた。

割と和食が好みのようなので、作り置きの分もなるべく和食中心のメニューにする事に。

2人仲良く並んで買い物をしている姿は、まるで本当の夫婦のようだ。

買い物を済ませた後はそのまま翔人の通う保育園へ…普段なら母親であるまりあだけなのだが、今日は聖也も一緒に迎えに来てくれたと知りとても喜んでいた。




「今日も一緒にご飯食べてくれるのっ?!」


「嬉しいか?」


「うんっ!僕嬉しいよ?ねぇ、ご飯出来るまで一緒に遊ぼっ?」


「もちろん」


「やったーっ!!じゃあ早く帰ろっ?」




2人の手を引き無邪気にはしゃぐ翔人…道路に映し出される3人の影はもう本当に家族のようだ。

どうやら聖也はまりあだけではなく、この家庭にも温かく迎えられたらしい。




「ねぇおじさん、帰ったらDVD見よ?」


「あぁ。いつも何見てるんだ?」


「スターウォーズ」


「4才のくせにそんなの見てるのか?話よくわからないだろ?」


「ダースベイダーがかっこいいからいいっ!」




いつもこんな調子なのかとまりあに尋ねると、少し困ったような表情でそうだと頷いた。

4才だと戦隊ものとかヒーローものが好きなイメージがあったのだが、この親子には驚かされっぱなしだ。

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