第20話
「クソッ!こんな時に警官殺しかっ……おい神崎!恋人とはまだ連絡つかないのかっ!?」
「それが全く……マンションにも帰っていないようで…」
「ったく何がどうなってるんだっ!!死亡推定時刻は警護を始めた日だと?ならこれまで受けていた報告は何だったんだ!?」
「…防犯カメラも調べたんですが、予め撮影が出来ないように細工されていて…手がかりは何も映っていませんでした」
「計画的な犯行か…神崎、お前は何としても女の行方を掴むんだ。もう一度ホテルとマンション、それに心当たりのある場所を徹底的に調べろ!いいなっ!?」
「はいっ!」
「他の捜査員も各自慎重に捜査を進めてくれ。今回の事件は特殊なケースだ。マスコミにも必要最低限の情報しか与えていない。騒ぎが大きくなる前に解決するんだ、いいなっ!?」
マスコミには発表していない…それもそのはず、殺された警察官の顔もあの遺体のように顔が切り刻まれていたそうだ。
まだ解決の目処も立たない凶悪事件と殺害の手口が同じだなんて世間に公表できないし、公表すればパニックになりかねない。
それどころか警察は何をやっているんだと叩かれてしまう……それらを恐れての判断だった。
警察は犯人が同一人物だと考え捜査を進めている。
相次ぐ不信事件に警察は焦りを隠しきれないでいた。
「なぁ、神崎。前に鑑識に調べてもらってたろ?薔薇とメッセージカード…あれから何か出なかったのか?」
「それが何も…まぁ、予想はしてたけど」
「そうか…まっ、ここまで大胆な犯行を重ねている犯人だ。そう簡単に証拠を残すわけないか…見つかるといいな、彼女。俺も協力するから何かあったらいつでも言ってくれ」
「助かるよ……」
シャロン…一体どうして?このまま戻って来ないなんて言わないよな?いつもどこか遠くにいるような気がしてた。
本当に行ってしまうなんて…もう一度会いたい。
とにかく無事でいてほしい。
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