とある凄腕外科医
第1話
粉々に砕け散った建物の瓦礫に人々の泣き叫ぶ声…
それと同時に鳴り響く銃声と無数の爆発音。
その度に黒煙はもくもくと上がり続け、辺りは火薬と血が混ざり合った酷い匂いに包まれている。
「お母さーーーんっ」
「痛いよぉぉ…」
「誰か助けてっ!!」
そう…
ここはとある “紛争地域” 。
平和で穏やかな日本の暮らしからはとても想像のつかないような場所だ。
しかしその一方で傷ついた者達を救おうとする者もいる。
例えばこの男なんかがそうだ…
「よぉし、よく頑張ったな…すぐに治療してやるからもう少しの辛抱だ」
「駄目ですドクターッ、出血が酷すぎてこのままだとっ……!」
「落ち着け!どんな状況にも必ず原因はある。この子には大至急輸血の準備だっ、なんとかそれで繋ぎ止めろ!」
「ドクター!こっちは腹部に木片が刺さった女の子がっ…!!」
「その子は緊急オペだ!体力の消耗が激しいからあまり時間はかけるなっ。場合によっちゃあ臓器を傷付けてる可能性もある、慎重にオペを進めろ!」
彼の名は
日本の小さな診療所で働く1人の外科医だ。
そんな彼が、しかもなぜ診療所の医師がこんな場所に?
と、誰もが思うかもしれない。
しかし彼は若くて優秀な… “超一流の外科医” だったのだ。
「誰か来てー!お兄ちゃんがっ…!!」
「どうしたっ?」
「お兄ちゃんが大変なのっ!!」
「わかった、後は俺に任せろ。絶対に助けてやるからな?」
的確な指示と手際の良い処置に現地の医療スタッフは桐也を賞賛し、彼らだけでなく患者からもあつい信頼を得ていた。
そして今日も、桐也は遠く離れた異国の地でたくさんの子供達の命を救った…
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