第18話 異世界転移編 グリーンウルフ

「そそろ奴等のテリトリーか」


 私は一番近かった魔物のテリトリーの一つの中に入った。 すると途端に現れる魔物の狼たち。


「鑑定!」


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 名前 : なし

 種族 : グリーン・ウルフ

 性別 : ♂

 レベル: 33

 体力 : 200

 魔力 : 20


 筋力 : 30

 持久力: 80

 賢さ : 20

 器用さ: 10

 素早さ: 60


 攻撃力: 30

 防御力: 40


 スキル: 噛みつき、引っ掻き


 取得魔術: 風魔術

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 うーむ、微妙だ。 例えるなら、一般的な兵士くらい。 それが私を取り囲む様に配置されている。


 素手でも十分に勝てそうだが、かと言って森の中では大鎌は使い辛い。


「仕方がないか…」


 そう言って私はストレージから一本の日本刀を引き抜いた。

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 名前 : 黒雨くろさめ

 攻撃力: 600

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 死の大鎌デス・サイズには劣るが、狭い場所でも戦える日本刀を選んだ。 これもドワーフの職人に頼んで作ってもらった一品である。


 学生時代に剣道部に入っていた事もあり、日本刀はそれなりには扱える。 残念ながら抜刀術などは使えないが、プレーヤー・スキルとしては、十分に扱えるのだ。


「さぁ、掛かってこい!」


 言葉が理解出来るとは思わないが、言葉通りに襲って来た。


「はっ!」


 横凪一閃よこなぎいっせんで、グリーン・ウルフの一体を仕留める。 すると、その一匹を囮にしたかの様に側面から攻撃が襲って来る。


 半身になって素早くかわし、残りのグリーン・ウルフの配置を素早く判断する。 ちっ、面倒だな。


 もしも一匹を攻撃すれば、その隙に攻撃に回れるように配置取りをしている。 何というか、人間相手に戦い慣れている気がする。


 正直に言えば、狼に襲われたところでステータス的には怪我を負うかどうかすら微妙なラインである。 だが、相手にアバターではなく自分自身での戦いに慣れるには非常に都合が良い相手である事も事実。


 よし、これを無傷で討伐する事を目標とするか。 そうと決まれば、体に慣れる事を優先して戦う事としよう。


 はっきり言って、今の自分に何が出来て、何が出来ないのかが分からないのだ。 確か、ヴァンパイアの設定では爪を伸ばして切り裂く攻撃なども出来たハズだが、日本刀を選んだのは間違いだったのだろうか?


 いや、違う。 相手の攻撃がユックリに見える。 これはもしかして思考加速か? そしてそんなユックリな世界でも、私は素早く動けた。


「はっ! はっ! はっ!」


 一匹を一閃で殺して、次の一閃でもう一匹を斬り殺す。 そしてひるんでいるもう一匹を勢いのままに斬り殺す。


 三連撃か、無理をすればもう一閃追加出来そうだな。 悪いがお前たちには練習台になってもらうぞ。


 そして始まる、狼たちを相手にした太刀稽古たちげいこ。 ふむ、大体感覚が理解出来てきた気がする。 気が付けば、周囲に散乱する狼たちの死体と共に、残る一匹の大きなグリーン・ウルフが目の前に立ち塞がっていた。


「鑑定!」


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 名前 : なし

 種族 : グレート・グリーン・ウルフ

 性別 : ♂

 レベル: 62

 体力 : 800

 魔力 : 300


 筋力 : 200

 持久力: 180

 賢さ : 90

 器用さ: 30

 素早さ: 300


 攻撃力: 320

 防御力: 460


 スキル: 噛みつき、引っ掻き


 取得魔術: 風魔術、暴風魔術

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「ほぅ、お前がボスか。 ならばもう少し、本気を出すとしよう」

「グルルルルッ!」


 こうして、グリーン・ウルフのボスとの対決が始まった。


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