第32話


知らない。




他の人の、幸せなんか。




「裏の世界では、アンジュと呼んで?」




全ては、自分だけの為に。




こてんと、首を傾げながら、己の存在を番犬達に刻み込んでいく。




もう、逃げられない。




「さぁ、始めましょう。この、残酷な世界へ、どこまでも復讐を。」




ーーーーそして、アンジュは生まれ落ちた。




この世界に。

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