第5話


『綾部さんを、助けたいの。』



なのに、瑠璃からのお願いは自分の事ではなく、他人の為のもの。



らしい、と、なぜだが思えた。



漠然とだが。




『千里、か。』



関係ないと言うわりに、瑠璃はずっと千里のを気にしていた。



いや、紫龍を、か?



『うん?』



『ふっ、お前らしいな。』



つい、苦笑いを浮かべるしかない。



自分達を、同士と言った瑠璃。



なら、手を貸さない訳にはいかないよな?

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