第二十一話

「あっ、これかプレゼント」

蒼月はUIを操作し運営から来ていたメールをタッチする。


蒼月様


本ゲームをプレイいただきありがとうございます。

サービス開始後初となるボス討伐を成し遂げた偉大なプレイヤーに

運営からささやかではございますが、プレゼントを送らせていただきます。


今後も『Abyss Gate Online 』をよろしくお願いいたします。


[受け取る]



蒼月は受け取るをタッチすると、『レベル強化の丸薬』、『全回復の丸薬』、『ペンダント選択プレゼントボックス』を獲得した。

丸薬はどういう効果か、名前だけで判別できるがプレゼントボックスというのはイマイチ分からないので確認する。


『レベル強化の丸薬』

消費アイテム

使用すると、レベルが1上昇する。


『全回復の丸薬』×100

消費アイテム

使用すると即座にHPが全回復する


「消費アイテムは結構ありがたいな」

続けて、プレゼントボックスを確認すると


『ペンダント選択プレゼントボックス』は二つあるペンダントの内どちらかのペンダントを選択し手に入れることができるようだ。

『超能力強化のペンダント』・『弾丸強化のペンダント』のどちらかだ。

効果はこんな感じ。


『超能力強化のペンダント』

装飾品

自身の超能力のレベルが1上昇する。


congratulations!!


『弾丸強化のペンダント』

装飾品

自身が装備している銃が+1となり攻撃力が強化される。


congratulations!!


「こんなの『超能力強化のペンダント』一択だろ!」

蒼月はアイテム欄に有る『ペンダント選択プレゼントボックス』をタッチし『超能力強化のペンダント』を選択する。


「お兄ちゃん!どんなもの貰ったか見せて見せてー!」


「いいぞ」

蒼月はUIを操作し、メルの方へポップアップを移動させる。


「すごーい!またお兄ちゃん強くなっちゃうねー!それにもしも売りに出してもとんでもない金額つきそうだねー。リアルマネーでもいいから購入したいっていう人出てきそう」


「あぁ、確かにな。貰った『超能力強化のペンダント』は自分で装備する予定だから売る気はないけどな!」


「蒼月一人ボス倒したの?」

いつの間にか話を終えていたミルとあまねがこちらの戻ってきていた。


「あぁ、そうだぜ。かなり楽しかったな、あいつとの戦いは」

蒼月は思い出しただけで胸が躍る。


「ふーん」

あまねは興味なさそうに返事をする。


「んで、目的は達成したのか?」


「まだ」


「そっか、んじゃもう狩りに戻るのか?」


「まだ」

あまねはまだ蒼月と一緒に狩りに行く気満々でこう答えている。

だが、あまりにも言葉足らず。


「おっ、おう。そうか、なら待っててくれ・・・?」

蒼月はいまいちあまねがどうしたいのかわからなかったので、とりあえず待っててもらうことにする。


「分かった」

あまねは頷き、蒼月の後ろに移動する。

そんなあまねの様子を見て、これで合っていたのかと蒼月はホッとする。


「んじゃ、続きだな」

蒼月はミルの方へ視線を移し話しかける。


「そうだねー、完成した装備はこれねー!」

ミルはアイテム欄からどでかいスナイパーライフルを取り出す。


「重たーい!」

ミル一人では重たすぎて持てないらしく、メルもすぐにフォローに入る。


「名前は大骨銃・ボーンライフルだってー」

「二人がかりでも重たいよ。お兄ちゃん持ってみてー」

二人は蒼月の方へ銃を差し出す。


「おうよ!って重たぁぁぁぁぁ!」

蒼月が受け取るとSTRの値が足りてないからだろう。

ズンと重さが一気に来て、膝から崩れ落ちるように倒れてしまう。


「おーい、誰か助けてくれぇぇ!」

蒼月は手が銃の下敷きになっている為、必死に助けを求めて叫ぶ。


「「お兄ちゃん面白すぎー!」」

ミルとメルはその様子を見て、ケラケラと笑い出す。


「貸して」

蒼月の様子を見かねてあまねが、大骨銃・ボーンライフルを手に取ると軽々と持ち上がる。


「ふーん。こんなものなんだ」

あまねは大骨銃・ボーンライフルを地面に置いて、試しにスコープを覗き狙いを定める。


「見た目が気持ち悪いことを除けば満点だね」

あまねの言った通り、この銃は全てのパーツが骨で出来ている。

茨木童子の骨から出来た武器なので当たり前ではあるのだが、見た目が少々気持ち悪い。


「おっ!あまね持てるのか!すげぇな!」

蒼月はあまねが当たり前のように持てることに驚いた後に大骨銃・ボーンライフルの全体像を確認する。


「見た目は・・・。確かにゲームだから出来てる感はあるな・・・」


「うん。現実じゃ作れない。蒼月これ使うの?」


「いやぁ、アイテム欄の肥やしかなぁ。俺基本超能力しか使う気無いしな」


「ふーん。いくら?」

あまねは背中に担いで、買い取る気満々のようだ。


「いくらって、売って欲しいのか?」


「うん」


「そうだなぁ。俺の周りだとあまねしか使えなさそうだし、やるよ!」


「タダってこと?」


「そうそう」

蒼月が笑顔で頷く・


「それは困る。それならリアルマネー払う方がマシ」


「って言われてもな。ゲームで金稼ぐ気にもなれんし。んー、なら今度俺が困ってる時1回だけ手助けしてくれよ」


「・・・。分かった」

あまねは少しだけ考えて頷く。


「ならそのアンチマテリアルライフルはあまねのもんだ!愛用してくれよな!」


「ん。ありがと」

あまねは装備していたマイクロUZIをアイテム欄に片付けて、大骨銃・ボーンライフルを装備する。


「なら武器はこれで解決したね!」

ミルがあまねに話しかける。


「ごめんね」


「いいって気にしないでー!僕が普通の素材で作るよりお兄ちゃんがくれたその武器の方が絶対強いから!弾とか必要になったらいつでも言ってねー!せっかくの縁だし、なるべく安く売るからさー!」


「ありがと」

あまねはUIを操作し、ミルにフレンド登録を送る。


「ありがとー!よろしくねー!」


「うん、よろしく」


「ならこれであまねの用事も俺の用事も終わりだな。あまねさらに強くなるな!試しに二魂坊にこんぼう倒しに行くか?」


「行く」

蒼月の言葉に即答する。

あまねは表情や仕草はあまり変わらないが、少しウキウキしているように感じた。


「おけー!なら早速いこうぜ!」


蒼月が先導し、二魂坊にこんぼうの狩場に移動する。

あまねは銃の調整をしながら、二魂坊にこんぼうを狩る。

蒼月は超能力強化のペンダントを装備して各超能力がレベル2になりどんな効果が新しく付くのかを確かめながら3時間ほど狩りをして、その日はお開きとなった。


蒼月

Lv25

HP 600/600


【VIT 5】

【STR 5】

【DEX 5】

【AGI 62】

【LUK 5】

【PSY 86】


装備

頭 【追放者の頭巾】

体 【追放者の服】

右手 【サイキックリング】

左手 【サイキックリング】

靴 【追放者の草鞋】

装飾品

【超能力強化のペンダント】

【無し】

【無し】

超能力

模倣Lv2(電撃操作エレクトロキネシス破裂炎球ブラストボール透視クレヤボヤンス

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