第九話
「ここ」
少年は指を指す。
「えっ?何もいなくね?」
蒼月は騙されたかと、
少年は
「見てて」
少年が腰のホルスターからグロック17を取り出し、地面を撃つ。
すると泥が盛り上がり、泥で出来た顔が現れる。
うわっ!びっくりした!
蒼月はホラーが苦手である。
なので急に来られたので驚き、尻餅をついた。
「ふふふ」
少年が笑う
「な、なんだよ!こういうの苦手なんだよ!」
蒼月は少し照れくさそうに叫ぶ
「びっくりした?」
少年はいたずらっぽく笑う。
「あぁ!かなりビビったよ!これで満足か?」
蒼月はそっぽを向く
「怒った?」
少年は蒼月を上目遣いで見る。
少年の上目遣いにドギマギするはずもなく、蒼月ため息をつく。
「はぁ、いーや、怒ってない。むしろここに連れてきてくれて感謝してる」
「そっか」
少年は素っ気なさそうにけれども少し笑みを浮かべる。
「んー、でもこまったなぁ。場所がわからないんじゃ倒しようがないな。ちなみに君はどうやって見つけたんだ?」
「超能力だよ。
「なるほどねぇ・・・。なら俺には使えないからどうしたもんかなぁ」
蒼月は腕を組みうんうんと考える。
「グル組む?」
「グル?」
「うん。僕が見つける。君が倒す」
「ありがたい申し出だけど。俺の超能力弱いけどいいか?」
「いいよ。銃じゃ倒せないし」
「ならグル組むか!」
蒼月は早速パーティ申請を行う。
「名前は
「違う」
「
「違う」
「・・・。
「そう」
「よろしくな!」
「うん。よろしく。そうげつ・・・?」
「いや、あいるだ。んじゃ、早速頼むわ!」
「分かった」
蒼月は
「12時の方向。30メートル先の地面」
「おっけー」
蒼月が
現れた泥の
5発当てたところで泥の塊は形を保てなくなり崩れ落ちる。
「5発か。銃が効かない分、餓鬼より体力は低いみたいだな」
思っていたより早くカタがついたので蒼月は安心する。
「1時の方向50メートル先」
少年は休む暇なく次々と指示を出す。
「あいよっと」
蒼月もそれに従い
1時間ほどしたところで少年はようやく休憩の申し出をしてきた。
蒼月は10レベなっていた。
二人だと言うのに餓鬼よりも効率がいい。
経験値半々とかになってないのか?
「ねぇ」
蒼月が経験値について考えていると
「なんだー?」
蒼月は地面に座り込み返事をする
「泥田坊の場所見えてる?」
疑念の目である。
「いやー?見えてないけどなんでだ?」
あの泥の塊のような
「怪しい」
「ホントだって!」
「ふーん。ならいいけど」
蒼月は
「おい!やめろ!」
蒼月が叫んだ直後、泥田坊が現れて
蒼月は
泥田坊は電気で痺れ、動けなくなる。
その隙に蒼月はしっかりと振ったAGIを使って
「危ないだろ!何やってんだ!」
蒼月が
「やっぱり見えてる」
「はっ?」
「泥田坊見えてるでしょ」
「うっ・・・」
蒼月は言葉を詰まらせる。
「なんで?なんで見えるの?」
「はぁ・・・。俺の超能力は
「うん」
周は合点が言ったようで頷いていた。
「ごめんね」
「ほんとやめてくれよな、
「なんで?」
「なんでって何が?」
「一人でも狩れるのに、なんで足手纏いの僕と一緒に狩ってくれるの?」
「なんでって、はぁ・・・」
蒼月はため息をつく。
「オンラインゲームだぜ?誰かと一緒にやってる方が楽しいからに決まってるだろ」
蒼月はニカっと白い歯を見せて笑う。
「ばか」
俯き蒼月に聞こえないくらい小さな声で呟く。
「ん?なんて?」
蒼月は咄嗟に聞き返す。
「うるさい!狩る!」
「なんだよ、もう休憩終わりかよ!しゃあねぇ狩るぞぉぉぉ!」
蒼月は右手に電気を纏い、左手で
「やっぱできるんだな、これ!」
蒼月は両手で別々の超能力が発動できることにニヤリと笑い、
それから1時間近く狩って
念の為フレンドにもなった。
11レベル。
これが早いのか遅いのかはわからないが、割と順調なのでは無いだろうか
蒼月
Lv11
HP 250/250
【VIT 5】
【STR 5】
【DEX 5】
【AGI 30】
【LUK 5】
【PSY 43】
装備
頭 【追放者の頭巾】
体 【追放者の服】
右手 【サイキックリング】
左手 【サイキックリング】
靴 【追放者の草鞋】
装飾品
【無し】
【無し】
【無し】
超能力
模倣Lv1(
時刻は22時30分。
「んー、俺も疲れたし落ちるかぁ」
オウサカまで戻ってからログアウトする。
「そういえば起きてからなんも食ってなかったなぁ。コンビニ行くかぁ」
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