#答えなんてわかっている癖に

STORY TELLER 月巳(〜202

#答えなんてわかっている癖に。

#答えなんてわかっている癖に。


【storyteller  by  Tukimi©︎】


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コーヒーカップ三杯半の女子の恋バナは、酔えない。甘くないだから、いい。



幾つ『の』を付けたんだ、みたいな新入社員の名前だったから、印象的で。


まさか私が指導係をする新人教育の、相手になって。それも、びっくりなら、話題の連ドラを、花金放送だからって泊まり込みで、来て、一緒に休日を過ごす仲になるとはと。


彼女の、お団子ヘアーがゆらゆらする背中を見ながら度々思うのだが。

そんな事を考えたら。

「先輩?」


「何でもない、呼んでないよ」


感のいい彼女が振り返る。


私は彼女が持って来てくれた、ケーキは冷蔵庫。

同じく彼女持参の保存容器の中身を、鍋で温め直し、買っていた、デパ地下のサラダを大皿に乗せる。

コーヒーは、もう、保温中だ。

ご飯も、同じく。


「出来たよ、お待たせ」


「先輩、サラダいくつ買ったんですかコレ」


「3パック?買って混ぜた」


「やり過ぎ。いや、そう、でもないか。明日もあるし」


「うん。朝までなら大丈夫でしょー?で朝食べたら帰んなよ?」


「えー?、沢山先輩と映画を観よって借りて来たのに」



可愛い後輩は可愛い、だから、何で毎週我が家に手土産、手料理付きで現れているのか。

毎回、言うのにうんざりされて、言うはやめたが。


なんか私が貰うこの時間が、欲しい奴らを何名か、知っていて。

後ろめたさも、ある、のだが。

気楽に、したい、気持ちは分かる。


職場でなんか話したら、一瞬で、恨みを買いかける、くらい正直な、この子は。

可愛いから、嫉妬を買う。


言わねば言わないで、言えば言うで、お高く止まっている自慢げな女の敵とか。


話の場がない、んだろうな。

この子、野々村乃亜には、本音を吐ける場所が。



TVに、映るドラマの主人公が困ったり、喜ぶのを途中まで見ながらも切る。


そんな甘っちょろい現実なんて、見たことない、だから感情移入ができない。


我が事のように心配してあげる程におかん心も、ない。知り合いにいたら、尻叩くくらいに甘い。甘い考え。


一応、会話の、ネタに見た。

やっぱり好きにはなれないドラマはしかし、人気だと、話を分かち合いたい人がいて。


闇雲に、見ないのも、私の正直な感想も、角が立ち、ある無い噂のネタにされるから。

当たり障りなく話は合わせられる、程度に。



後はお口直しに、二人が好きな、アニメの新作を、見る。


ケーキ持ってくる。と言うと。

乃亜は、コーヒー入れますと、知ったる我が家の戸棚へ。


好きなカップとソーサー、ばかりの宝物は。

可愛い後輩の目にも可愛く映るらしく、毎回何処かのケーキを持って来て、喫茶店気分をしたいと言うから、お好きに、だ。



「のめり込める、恋ねー」

「先輩は、有ります?」


有りはしないから、大好きな毎日マイセンだの有田焼きのだのを集めては眺めているんだが。


「私も趣味でいいから、何かにのめり込みたいなー」 


「まあ、いいじゃん、アニメ化したお気に入りの漫画の、新作買って来たんでしょ?」


「あれ、もう次からはいいかなって思って。

話の展開分かってしまうと、自分飽きちゃうんですよね」


なかなあ。

夢を見るのは難しい。

見続けるのは、騙されるふりをし続けるくらい難しい。


盲目に嵌り込めるくらい入り込める程心を掴まれる、まるで主人公自身みたいな話か、


ものを知らない世の全てハッピーエンド以外はないと信じている人か、


箱入り大切にとされることしか知らない、人でしょう?

それが出来たら、女子らしい、砂糖吐きそうな甘い話に乗れるの、か、私も。


要らんけど。






今日も夜は更ける。

ニンニク入りの餃子だって、食べられるし、

口元を隠して笑うとか、あぐらを組まずにだとか、男子や、お局様方の前で出来ないことだってやれる。


目の前では乃亜が。

薄塩味か、コンソメか。

ポテトチップの袋の前で悩んでいて笑いが込み上げるを噛み殺す。


「どうせどっちも食べるでしょ?」

「最初の一口どっちかが大事なんですよ、気分、映画に合うのを食べたいから」


先輩また悩む私を笑う、と拗ねる彼女の、非難は避けたい。だって笑う。可愛いんだもん。


さて。

私は彼女を待つ間、借りて来たと言う映画のラインナップを確認する。

前はホラーばっかりで、危うく寝れなくてえらかった。

大丈夫、かな?

悪いけど、寝ないと若くないから顔に出るんで。有れば家主権限で、却下。もしくは今のうちに取り上げるか?



-お仕舞い-


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【後書き☆今宵は少し話を】


小説を賞に応募しようとすると。

困るのがジャンルと、長さ。

当てはまらんやん。

ネットサイトで登録して、でも、投稿サイトでも、私が読みたい中身の重さ、それは一回じゃなく二、三回読みたくなる話があるサイトじゃなくて。


よくあるのが、綿菓子みたいな、ご都合主義ハッピーで大した障害も、人生経験も、ないもしくはそこはあまり描かない(人生つまずきも挑戦もあまりしない人が、文書いてます?とかなり思う事が多い。)ストーリーで。


実のところ。何処に出すと良いかわからなくてここに書いてます。

私は、私の読みたい話を。


似たようなことを思う場面、あの小説のあの人こうしてやり抜けてたな、とか。

生きた、生かせる読み物を。


書けているといいなあ、と思います。

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