第17話 49歳・男性・自営業・凍死
ガッツリ12時間は寝た翌日、出勤してきたフィオラの机に付箋が貼られていた。
どうやら、入院していた上級神達が復帰したとのことだ。彼らを集めて話し合いをしたい、らしい。宛名は祖神から、どうも本名を書いてしまったらしくその左隣は5文字ほどが塗りつぶされていた。
集合場所はエターナルの執務室とのことなので、フィオラが向かったらそこで5柱の上級神達が祖神に向かって正座していた。先日廃棄世界を消し飛ばしてしまったため、完全に真っ白な中でこれなので余計に目立つ。
「お、おはようございます……」
「おう、来たか」
「……一応聞いておきますけど、何やってるんですか?」
「いや、昨日に引き継ぎこの神界とやらの情報収集をだな。上級神が帰ってきたって言うから、話を聞こうと思って」
どう見てもこの光景は説教だろ、と思ったがあえて口にはしていない。ルインを除いた上級神達は全員震えていてフィオラどころではない。
「おい、フィオラ。この方が本当に祖神様なのだろうな?一応周囲の反応で理解は出来るが」
「一応、祖神様で合ってます」
「一応ってなんだ一応って……事実だからしょうがないけど。さて、全員集まったことだし、もう一度情報をおさらいしておこうか」
フィオラもルインの隣に座り、祖神によるこの世界の成り立ちについて説明が入る。内容は2話前に祖神とフィオラが話した内容まんまなので覚えてなかったら是非読んでほしい。
「……というわけで、俺たちのやらかしでお前らを作ってしまった。本当に申し訳ない」
祖神が頭を下げると、ルインを除いた上級神達が祖神の足元まで追い縋ってきた。
「そ、そんな!頭をお上げください!」
「たとえ真実は違えど、我々にとっては祖神様がお姿を現されたこと自体が幸福なのです!」
「祖神様には何の責もございません!平に、平にご容赦を!」
こんなところを他の神が見たら驚くだろう。今までロクに神界へ姿を現さなかった祖神や災害同然の妹様を除けば、上級神とはこの世で最も偉い存在なのだ。それが全員祖神の足元に縋って許しを乞うている。神界からしたら異常事態もいいところだ。
「難儀ですね、神というものも。上位の者には絶対服従しなければならないなんて、窮屈で仕方ありませんね」
「お前はお前で少しはナロウ様達を見習え。我々が利用しているからいいものの、下級神が上級神と並んで会話することなど滅多にないのだからな。昇進したければ礼節を覚えろ」
ルインにだけは礼節について言われたくないが、黙って肯定しておく。最も、昇進する気など今はまったくないが。
「その……なんだ、下位の者が上位の者を畏れ敬うのは当たり前みたいな感覚慣れないんだよな。相手が強すぎてビビることはあるけどよ……」
「そりゃ祖神様ですからね……あんた神界じゃトップでしょうが……」
フィオラの言葉を聞いた上級神達が、凝視してくる。漏れ出る神気から来る圧を感じたフィオラは物理的に後ずさった。
「ダメじゃないかフィオラ。祖神様にその言葉遣いは」
「僕達が気軽に接しすぎたせいで勘違いさせてしまったようだね。これは責任を取って連座で死すべきかな」
「祖神様、お願いします。あの不届き者と我々の首を落としてくださいまし」
「落とすのは拳骨だけだ!」
祖神の拳が上級神達の頭に落ちた。
「別にそんなことで殺したりしねえよ王侯貴族じゃあるまいし……逆にお前らの方が過度に敬いすぎて気持ち悪いわ」
「確かに、先ほどの私は礼を失していました……しかし、何故か祖神様相手だと軽口がスッと出てきてしまうんですよね……」
「……むしろお前に素の口調で喋られると安心するんだよな。同じ無だからか?」
ナロウ達は互いに顔を見やった。祖神にはバレているのだ、と。
「さて、上級神方の顔合わせも済んだ事ですし、そろそろ業務の方へ戻らせていただきます。昨日は言いつけ通り、たっぷり寝て来ましたからね」
「おう、そんじゃ面談終わったらここに来いよ。こんだけ上級神が揃ってるなら話も早いだろ」
フィオラが部屋を出ていくと、エターナルが祖神の傍に寄ってくる。入院前はもはやミイラ寸前というところまで細くなっていた身体は、どういうわけか細身の儚い女性ぐらいまでにはグレードアップしていた。
「祖神様、あの子の素質に気付いてらっしゃいましたね?」
「アホ抜かせ、一回見りゃ分かるわ。大体、お前も同じ力使えるだろ。なんで教育しなかった?」
「……だって祖神様がそんなこと教えてくれなかったですし、廃棄世界を消すのが忙しすぎて寝る暇もなかったのですよ!」
「………………本当に、ごめん」
祖神は、ただ頭を下げるばかりであった。
数分後、フィオラが1体の魂を連れて戻ってきた。かいつまんで言うと脱サラしてそば屋を営んでいたが全く売れずに路頭に迷い、そのまま路上で凍死してしまった魂とのことである。
「まあ、背景はどうでもいいとして」
「どうでもいい!?」
「どうでもよくねえぞこういうタイプのオッサンは……大方、そば粉の産地を厳選してお品書きにはつらつらと長文をしたため、食べ方まで指定した上に器は自作の陶器で、あと週5ぐらいジム通ったりしてたクチだろ?」
「エスパーか何かですか!?」
「神です」
何故中年男性はそばを打ちたがるのか、何故中年男性は陶芸をしたくなるか、何故中年男性は急にジムへ行くのか。ただ突発的に始めた趣味であるのならば良いのだが、大抵こういう類型の人はこだわりが強い傾向にある。それ自体にハマってしまうパターンだ。
全員が全員そうではないが、警戒をしてしまう。あ、でもジムは勘弁してやってください身体の衰えを自覚したんです。
「とにかく、さっきは面接を端折ってしまいましたが、ここには上級神様が5柱も揃っておりますので好きな世界を選びたい放題です。そして、ある程度強力な特典を選ぶことも出来ますよ」
「はあ……その、どういった世界があるんでしょうか?」
「現在取り揃えているのは中世ヨーロッパっぽい感じの世界、ゲームの中の世界、現代によく似た世界、場面問わずダンジョンが生えている世界です。現在、崩壊しそうな世界は売り切れております」
「……と、言われましても」
どうやら今回のお客様は異世界転生に詳しくないようだった。というかそういう小説やアニメ、漫画といったものを全然読んでいないとのことだ。特に珍しくもないが、懇切丁寧に説明しなければならないので骨が折れる。
「例えば、えーっと……特殊能力をいくらでも持って異世界で……最強に……」
「いや、最強になってどうするんですか。私は特に文明レベルの落ちた世界へ行きたくはありませんし……」
「なら我が現代ダンジョン世界はどうだ?現代社会にダンジョンが生え、ダンジョンに潜り一攫千金を狙える世界だ。先述の能力があれば稼ぐのは容易だぞ?」
「ダンジョンとは一体……?」
「フィオラ、こいつアメンボにしろ」
ルインは明らかにキレていた。魂はそれを聞いて怯えている。
「ヒィィ!アメンボって何ですか!?人間に生まれ変わらないんですか!?」
「普段だったらそうしています。ですが、今回は力を試したいんですよ。どうやら異世界やダンジョン、ましてやゲームのことも分からなそうなので、現世(っぽい)世界へ生まれ変わりましょう。ゲンファン様、お願いします」
「……本来は少年がいいのだが、任された」
白い空間が、あっという間にシャボン玉で埋まる。どれも下界とよく似た世界群である。
「こ、これは……どれもこれも同じ世界に見えますが……」
「違うのだ!」
「ヒエッ!?」
「これは刀でバトルしてるタイプの漫画の世界!これは魔法とか存在している漫画の世界!これは主題がラブコメなんだかスポーツなんだかわからない漫画の世界!で、こっちがラブコメの漫画の世界で、こっちのラブコメは……」
ゲンファンのスイッチが急に入り、怯えているお客様相手にまくし立てていく。
「全部漫画じゃねえか」
「ラブコメ多くない?」
正直な話統合してしまっても何ら問題はない世界同士もあるのだが、下手に混ぜると設定に整合性が取れなくなってしまい世界が崩壊する危険性がある。
ただ、作者が「実はこの作品とこの作品は同一世界ですよ」と言ってしまったら急に世界が統合してしまう。現代を舞台にした作品は想像しやすい分、差異が薄いのでこういったことが起こりやすい。
「まあ、宇宙人とか退魔師とかいないタイプのラブコメ世界なら下界にかなり近いか……というわけで、君の転生先はほぼ元いた場所に近いところにしておいた。君は人生をもう一度やり直す事が出来るというわけだ。最も、人間関係だけはどうしようもないけどね」
現世によく似ているとはいえ、これは異世界だ。下界とは住んでいる人物もその関係性も、自分の親兄弟すら違う。実在の国家元首のそっくりさんぐらいならいるとは思うが。
「人生を、やり直すか……」
「ただし、条件があります。私の能力付与がどこまで通用するかの実験を行いたいのです。なので、ありったけの欲望を吐き出してしまいなさい」
「具体的には?」
「そうですね……生まれはどこか、両親はどういう人か、財産はどれぐらい必要か、身体能力や知能の強化状態、運命的なパートナーの有無、後はいらないとは思いますが様々な超能力の付与ですね。なんだったら魔法とか使えるようになりますよ?怪我を瞬時に治したり、何もないところから火を出せたり」
「むしろそんな調整も出来るんですか!?」
出来るのだ。流石に一部条件は世界によって付与の可否があるものの、チート能力を持った転生なのだから先程フィオラが挙げた例であれば容易く達成出来る。
本当にフィオラが無限の能力付与を可能とするのならば、という条件はあるが。今までのフィオラであれば2〜3個のチート能力付与でダウンしていただろう。
「それが本当に出来るのか確かめたいのです。さあ、望みを言いなさい」
「……では遠慮なく。私はもう一度蕎麦屋として大成したいのです。恐らく自分に足りていなかったのは蕎麦の品質!なので、まずは蕎麦畑を所有し自家製粉から始め」
「は?農業ナメんなアメンボにすっぞ?」
「エーーーーッ!?」
フィオラ、キレた。実家が農家であるフィオラは農業をナメた手合いが非常に嫌いなのだ。思わず素が出てしまい、祖神に羽交締めにされた。
「抑えろ馬鹿!どうせ異世界飛んだらお前にゃ関係ねえんだから好きにさせろ!」
「フーッ!フーッ!では、我が家秘伝の農作知識の伝授、蕎麦畑の用地確保、過酷な労働に耐えうる体力、それと蕎麦を育てるのに足る初期資金の付与ですね……!」
フィオラは冷静さを失いながらも手を翳す。見た目では分からないが、付与は成功した。フィオラも意識を失う事なく暴れている。
「あー、もうこんなとこまで嫁に似て……で、他になんかあるか?」
「神様って農業に厳しいんですね……」
フィオラ以外の全員が首を横に振る。農業一つでキレるのはフィオラだけだ。
「では遠慮なく他もいいですかね?作陶が出来るような工房が欲しいんです。家に登窯とか欲しくないですか?」
「お前ちょっと屋上出ろ」
今度は祖神がキレた。あまりに漏れ出る神気に危機感を抱いた上級神5柱総出で祖神を止める。
「祖神様!いけませぬ!」
「静まれ!さぞ名のある荒神とお見受けした!」
「どうか、平に!平に御容赦を!」
「うるせーーー!作陶ナメんな!素人がいきなり登窯とかおこがましいわ!電気釜でも使ってろ!」
「……さらなる用地確保と資金援助しときますね。ついでに作陶知識も付与しておきましょう」
祖神の拘束から抜けたフィオラが再度手を翳す。以前だったらとっくの昔に倒れていてもおかしくない量の特典を付与したが、フィオラはまだまだ元気だ。
「あとはジムとか近隣にあると嬉しいんですけど……」
「それは【筋トレ出来るゲーム】で代用出来るでしょ。フィオラ、ヨガマットも追加しといて」
「へーい」
「ヨガマットってチート能力なんですか……?」
「まあ、飛んだ先の世界に無いこともあり得ますからね」
ナロウの管轄するのがなんか中世ヨーロッパっぽい世界だとしたら、ゲンファンの管轄はなんか下界っぽい世界と言ったところだ。本来あるはずのものがなくて、本来ないはずのものがあってもおかしくはない。
そこら辺は世界を創造した人間の解像度による。作者の脳より頭の良い人間は作れないという言説と同じく、世界もまた作者の想像を超えられない。
「しかし、これだけ付与してもダウンしないとは、本当に無限付与が可能なんじゃないか?」
「そうだとしても証明する手段がないな。際限なく能力を付与してしまったら世界最強の蕎麦屋が出来上がってしまう」
「そ、それはご勘弁を……これだけ叶えて頂ければ十二分ですので……」
「そこは蕎麦屋志望なんだから十割とか言っておきなさいよ。ともかく、これで能力付与は終わりです。では、幸運をお祈りしています」
「は、はあ……それでは、お世話になりました……」
お客様は困惑しつつも小世界へと飛び込んでいく。それを見届けた神々はその場に腰掛ける。
「さて、どうしようか。フィオラは次の転生者を見繕っておく?」
「いや、今日もまたすぐに帰って寝てもらう。徐々に慣らしていこう」
「……差し出がましい真似をしてしまいました。処断は何なりと」
ユニティが祖神に向かって首を差し出すと、祖神はそれを両手で制した。
「だからそういうのはいいっつーの鬱陶しい」
「でもまだ午前中ですよ?昨日寝過ぎたのでまだ眠くないというか……」
「じゃあどこかで暇潰す?パチンコとか。そのついでにさっきの転生者の様子見よっか」
「いいのかお前らそれで……」
「良いんです。ついでにチャッカーに直接パチンコ玉を落とす方法教えてください」
「いや、だから能力を使わせないために休んでもらおうと……ダメだこりゃ」
言い切る前に部屋を出た神々を見て、祖神は深くため息をついた。
「パチスロって、結局スロの部分が当たらなければ何の意味もないんですよね」
パチンコ屋にて、祖神の指導によりパチンコ玉をチャッカーに直接落とす技を身につけたフィオラであったが、ものの数時間で玉切れを起こしてしまった。今は店外の喫煙所に全員集合している。
「こればっかりはその能力じゃどうしようもないな。運命に干渉することも出来なくはないが、地頭が良くないとどうやってやるかの理解すら出来んぞ」
「絶対に当たるパチンコとか、僕は御免だけどね~~~」
「というかこのチューリップに確定で落ちる技も封印しましょう。パチンコは玉がジャラジャラ出てくるのが嬉しいので」
「よくぞそこに辿り着きましたねフィオラ……」
「まずパチンコ自体をやめようって発想はないのか?」
ふざけた話をしているが、この場に集っているのはフィオラを除けば上級神か祖神だ。下級神達はこの喫煙所に立ち入ることを忌避し、結果誰も寄り付かない聖域みたいになっていた。
「さて、今回送り込んだ人は無事に転生出来たのか……?」
ゲンファンがその場に小世界を呼び出し、適宜早送りを交えながら転生者の動向を全員で見ていく。特に生い立ちに興味はなくすぐに飽きたので、現在地点から数年前の動向を見ることにした。
そこには、元気に背広を着て走り回っている転生者の姿があった。
「おいちょっとストップ。こいつ、サラリーマンに戻ってないか?」
「あの、蕎麦屋になるって宣言はどうしたんですかね……」
「……こうなったらアレだ。あらすじ機能だ」
ゲンファンが小世界の裏あたりをつつくと、転生者の生い立ちがテロップとなって現れ、どんどん上にスクロールしていく。
0歳、某県の郊外に生まれる。父が脱サラして蕎麦打ちと作陶に目覚めたため、自作の登窯と蕎麦畑が家の敷地内にある家であった。
「父ちゃんがむしろ転生者の完成形じゃないか?」
「ちょっと祖神様黙っててください。テロップ見れないんで」
3歳、保育園にて発達が早すぎることを職員に恐れられる。本人自身も周囲のレベルがあまりにも違いすぎるため、居心地の悪さを感じる。友達は出来なかった。
6歳、小学生とは思えない知力と身体能力を持つことから有名私立小学校へ特別優待をされる。以後大学まで当学校法人の経営する私立学校へ特待生身分のまま過ごす事となる。その間、蕎麦打ちと作陶を趣味として絶えなく継続する。
22歳、大学卒業を機に結婚。ようやく蕎麦作りと作陶に取り掛かろうとしたが、相手方の両親に大反対を食らってしまったので仕方なく就職を決意。
24歳、前世分含めた蕎麦の知識を元に都内で蕎麦屋を開業する。妻とは喧嘩別れ。
26歳、あまりにもこだわりぬいてしまった店内の空気に耐えられるものがいなくなり客が来ず、店を畳むことに。実家へ帰ることに。
27歳、実家の土地を差し押さえられ路頭に迷う。しかし、あらゆる農耕に耐えられる体力を有していたため屋外で凍え死ぬことはなかった。元嫁の実家に頭を下げ、真面目に働くことを決意。
30歳、もはや自分が蕎麦を打てないのであれば、理想の店を育てればいいのでは?と決意し独立して食品コンサルタント会社を立ち上げる。主に蕎麦店のコンサルタントを務めていたが、その中で自分の店が何故倒産したのかに気付く。
33歳、多角的な分析と自己の業務経験から、この世界で蕎麦を売り出すのは無謀だと判断。ラーメン店の経営に乗り出していく(現在ここ)
「………………?」
「いや、蕎麦へのこだわりどこ行ったんだよ!!!」
「ごめんフィオラ。これ、ラーメンが主題の作品世界だったわ」
「この世界でラーメンやるなら相当な覚悟が必要ね……」
「ええ……よりによって……」
この場に集まった全員は何とも言えない微妙な表情をしている。人の人生を覗くことには慣れっこな上級神達だが、特別転生者ぐらいの能力付与を行ってこの結果になってしまったのは微妙な気分なのだった。
少なくとも、前世の二の轍を踏んではいないようなのは救いだが。
「しかし、あれだけの能力付与が出来ればこないだ話したあの計画も実現できそうだね……」
「ええ?私、そんなに付与しました?覚えているのヨガマットぐらいなんですけど……」
「大分記憶飛んでるじゃねえか……そこまで農業好きだったか?」
「そうですね……、実家が農家だったからつい……」
「そうか……何をやるか知らんが今日も早く寝ろよ。俺は少し調べたいことが出来た」
祖神は一足先にパチンコ屋から離れた。それまで張りつめていた空気が、一瞬で弛緩した。
「ハァ…………ッ!!!ハァ……ッ!!!無理……ッ!!!」
「祖神様に対してタメ語を使うの……ッ!神経が……削れる……ッ!」
「ありがとうフィオラ……貴女がいてくれなかったら潰れていたわ……」
「……あの、上級神様たちに囲まれた私の気持ち、ようやく分かりましたか?」
ほぼ絶対の上位者であった上級神は、中級神以下の存在が自分たちに対してどのような態度で接してくるのかを参考に祖神やその妹と接してきた。要するに上位者との接し方慣れていないのだが、祖神がそれを嫌がって普段通りに接することにしていた。
だが、祖神への敬意がそれを拒んだ。なんとかいつも通り話しているフリをして乗り切っていたのだ。
なおルインだけは唯一涼しい顔をしていた。祖神への敬意など、フィオラ同様微塵もないからだ。直接関わっている世代ではない上、そもそも祖神ですらないことを知らされたためだ。
「まあ……ね……ところでユニティ、今度は何をやらかすのかしら?」
「え?ああ、計画の事かい?祖神様の圧に押されてつい話題に出してしまったが……ちょっとフィオラと乙女ゲーム世界を使った実験をしたくてね……」
「私が本当に無限の能力付与を行えるのであれば実現できる計画なのです。皆様も良ければ見学にいらしてください」
「妹様にリベンジするとかじゃなければいいけど……何をする気?」
「何、ただの婚活パーティーですよ」
今までの下級神らしかぬ圧を前に、ナロウ達は一瞬だけ祖神の存在を感じた。
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