三十六話 神殺しは迷宮の中で 其の漆
断たれた首が地面へと転がり、それと同時に
「やりましたね! バサラ殿!」
「お主ら」
「「首が喋った?!」」
バサラと
「驚かすつもりはなかったんだがな。良い、首を断たれりゃ何も出来んさ。我は此処を守護する代わりに此処から出なければ不死身。そう言う呪いにかかっているのでな。主らは合格、首を体につけてくれさえすれば通って構わん」
「本当につきましたな」
「ね」
バサラと
「何故此処で燻る。下に向かわんのか?」
「うん、そうなんだけどさ。僕たち一旦、ここでご飯を食べようと思うんだけど
「主らはひょっとして阿呆なのか?」
***
そんなこんな言いながらバサラ、
「バサラ殿の鞄はなんでそんなに色々入っているんだ?」
「一人でもいっぱい食べるからね~。食と言うものはどんな時でも心と体を温めてくれる。辛くても悲しくても全てを奪われてもお腹は空くし、食べなきゃ何も始まらない。だから、いつでもいっぱい食べれるようにしてるんだ。真の戦士は戦場で飯を食えることなんて言葉があるくらいだしね。
バサラ言われるがままに
スープを飲み、ご飯を口に運ぶ。何年振りだろうか、人と食卓を囲むのは。自分がいた場所、死に損なった場所、二人の天津神が争いし時代。
フラッシュバックし、思い出す。
しかし、それは今はどうでも良く、彼らと囲う食に集中した。
「バサラ、主は飯を作るのが美味いな」
「あはは、お褒め頂けて光栄。舌にあって何よりだよ。
「ふぇっふぁ、ふぉんなふぉとひぃまふぇんふぉ!(拙者、そんな事しませんよ!)」
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