鴉に君を待つように佇む

藤影秋斗

ありふれた世界、そしてやってくる季節に憎む。

橋を渡ろうとすると、なぜか目が眩むような現象が起きた。一体これはなんなんだ?

そんなことをずっと考えていた。

僕はこの時まで世界がどんな形をしているかなんてさっぱりで、ちっぽけで少しの生温かさをじんわりと感じながら、生活していた。

ああ、これは無数の小さな虫だ。と感じることができたのは、なぜかなんてさっぱりだが、僕の中である答えを見つけることはできなかった。


虫が頭の方に集合して、僕の視界を遮ろうと、奮闘する。君の生きている意味はそんなものなのかと、僕はすぐに虫の人生を見下した。僕はなぜか、優越感なんてものにありつけられなかった。見下している自分を見下しているようだった。


虫を追い払い、ようやくすっきりとした僕の気分に少々邪魔なような、憂鬱な鳴き声が僕の耳に通り過ぎていく。



「あっがっがgがががあっがああああはhが葉が上がっ河がアガがガガガ」


こんな汚い鳴き声の主は鴉だ。真っ黒でダイヤのように美しく、羽根に色をつけたくなる。そんな惨めな人生を送っているような鳥になんか言われるように、鳴かれた。



すぐに無視して、僕はすぐに去る。しかし、後ろを見るとなぜか背後にいる。さっきのやつと同じなのかはわからないが、なんかいた。



何も考えたくない。気持ちわる。

僕は今まで、こんな気分になったことはない。なぜ僕は何もできないのかと、自問自答を繰り返す、無駄な日常。僕は全てに置いて、無駄だった。


さようなら。僕。新たなものにならなきゃ。そんなことを言われたかった。



鴉が鳴く。僕が泣く。虫が群がる。子供たちの声がこだまする。


僕は一人、夜の橋の上に佇み、そこで僕は新しい世界を創造した。


さようなら。君も、僕も、世界も。



鴉も。





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鴉に君を待つように佇む 藤影秋斗 @UkyouYaezakura

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