しくはっく

しもて

プロローグ

 お前、あの祠を壊したのか……?


 最近よく見かけるネットミーム。

 王道だけれど、全オタク好きな展開。

 いや、全は言い過ぎかも。


 ともかく僕は好きな展開。


 その広まりは凄まじく、ついには有名声優までもが乗っかる始末。

 ありがとうございます、今日もとても声が良いです。


 何気なくタイムラインを眺めていたら、ふと目に止まった呟き。

 僕は投稿が流れてしまわないように、急いでいいねを押した。

 最近は見たいと思った投稿ほどすぐに流れてしまうから良くない。


 何となく早くなる鼓動を無視しつつ、自分のいいね欄を開く。


 やはり、見間違いではないようだ。


 かつて同じ高校に通っていた、ひとつ年上の彼女がそこにはいた。

『お祓いなら絶対この人!他の人ではどうにもならなくて、困っていた時に出会いました。本物です!』などという怪しい文言と共に。


 とはいえ、学生時代に話したことがあるのはたったの一度だけ。


 その一度が、とてつもなく衝撃だった訳だけれども。


『気になる方は紹介します。お気軽にDMまで✋』


 僕の指は震えつつも迷いは無かった。



『突然のDM失礼します。僕は……』

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