番外編2

次の日。


廊下で彼女とすれ違うと、彼女はいつもの顔でアタシに声を掛けてきた。


「おはよう御座います。クリスティーヌ」

「……」


まるで昨日の人とは別人みたいに平然としている。


彼女は白けるアタシの視線に首を傾げつつ、二日酔いなのか頭に手を当てていた。


あんだけベロベロになってたら、そりゃそうなるでしょうに……。


アタシは少しからかってやろうと、ボソリと呟いた。


「あまりお酒は飲み過ぎ無い事ね……おかあさま?」


鼻で笑ってすれ違うアタシは知らない。


彼女が顔を赤らめながらも、満面の笑みを浮かべていた事を。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アタシのママ 冬生まれ @snowbirthday

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画