第12話

ヒイロのくっきりと切れた二重が鋭く細丸る。



若干呆れた目が、私にしがみついているしー兄を捉える。



「ただいま、ヒイロ。


これは、あなたの兄さんよ」



「くっつくって、表現はやめてくれるかな?


これは、愛情表現、いや体現の一つだ」




堂々と言う兄に対して、ヒイロと私は痛い目線を向けた。



これが、私の日常だ。



兄 シグレ

弟 ヒイロ

そして 私



私と兄弟2人は、血が繋がっていない。



私が8歳の時に父と母が離婚し、父についていった。



私が12歳の時に、父が再婚した。




新しいお母さんの連れ子が、しー兄とヒイロだった。




父と義母は仕事が忙しいので、めったに家には帰ってこない。




一軒家に3人で自由に暮らしている。



何はともあれ、一方的な想いはあるけど、兄弟仲はまずまずである。

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