第2話

「ピ、ッピーー」



通学通勤の人混みの中、警笛が駅前に鳴り響いた。

時刻は朝8時。



「広告から離れなさい!」




「やばっ、見つかった」



人が溢れる駅前で、警官が女子高生に強く注意する。



彼女のお目当てのもの。



それは今日貼られたばかりのポスター。




誰もが一度は立ち止まり、彼らに囚われる。



2枚のポスターに写る彼らたちに。




私は、そのポスターに目を向けた。



分厚いレンズ越しで見ても、素敵な笑顔は歪むことはない。



アイドルたちに向かって、「はぁー」と、私の重く深いため息がもらす。



私は、長い三つ編みを揺らしながら重い足取りでその場を後にした。

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