「油断なんてしてあげないんだから!」
仮面の不審者達に襲われた次の日、アタシ達は
卵焼きに漬物、そしてお味噌汁。The日本の昔の朝食というラインナップが並べられていて、そのどれもがとても美味しかった。
「ご飯美味しいっぺ〜」
「ガッハッハッ、若い子がいっぱい食べてるん見んのは気分がええ!ほれ、"
ひょいひょいとお皿に追加の卵焼きが乗せられてきて、もうおなかいっぱいなアタシは腕と顔を横に振って拒否する。
「もうおなかいっぱいなんです!無理ですって!」
「じゃあわたすが食べるっぺ〜」
パクっと卵焼きを食べて頬を膨らませている
「じゃあ、"
「留守番は任せてくれ
無駄にキリッとした表情で親指を立てるアポロ店長……予言って何?
結局昨日は
車に乗せられてまたどこかへと移動する私たち。今日からは私と
「
「ある相手?」
「あんまり強くは無いんやけどな、
ハンドルを握る
「よしよし、やっと見つけたで……んじゃ、暑いけど歩こうか」
どこのコインパーキングも満杯で、ようやく見つけたそこに車を止めて徒歩移動になったのだけども……思ったよりも道に人が多くて中々前に進めない……何より、真夏の日差しがアーケード越しとはいえかなり暑い。
「あー……しゃーないとはいえやっぱこの時期は混むなぁ道……はぐれんように気ぃつけてや」
「はーいってダメだっぺ〜押し流されるっぺ〜!!」
「み、"
人混みに流されていく
「あかんでこれは……年々人多なるしホンマに嫌になるわ……"
「う、うん」
ギュッと手を両手で握り、
もう一度本道に戻ろうとした時に、アタシたちの背後から『"
振り返れば、はぐれた
「はぐれた時はどうしようかと思ったけんど、合流出来て良かったっぺ〜」
「合流出来たのは良いけど誰なのよその人……」
「えっとー……わたすが人混みであんれまぁってなってた時にこの人が助けてくれたんだっペ。もうちょっとで押し潰されてたっぺな」
男の人は小さく会釈をしてくるのでアタシもつい、同じように会釈を返してしまう。
「ほー、優しい兄ちゃんに助けて貰えたんやな"
「……恐縮、です」
見た目と違い、丁寧な対応で少し驚いてしまってちょっと申し訳ないわね……人は見かけによらないって今心から理解したわ。
「兄ちゃん観光か?どっから来たん??」
「えっと……俺は、その「"
人混みから今度は見た事のある人が出てくる……確か、ユギトさんといたオウドウって人……だけど、ちょっと自信が無い。
顔をちゃんと覚えていない……
「ジュンお兄さん久しぶりだっぺ〜」
「何故お前たちが"
驚愕と困惑が混ざった、合わせて疲れたような表情のオウドウさん。
『ほーん』と言いながらしげしげと
「えらいシュッとした兄ちゃんが来たなぁ今度は」
「しゅ……シュッて何ですか?」
「アレや、顔が整っててあらまあイケメーンみたいな感じや
「"
首を傾げてオウドウさんに経緯を説明しているジンガさんをしゃがませて何やら耳打ちをしているオウドウさん……流石に内容は分からないけど、聞いているジンガさんの顔が強ばってるのは見える。
「……マジっすか」
「大マジだ、とんでもないミラクル引き当てたな貴様」
「なーなー兄ちゃん達、ウチらも兄ちゃん達もこの人の多さやと暑さもあって熱中症とかになりそうやし涼まへん?知り合いみたいやしさー」
「それ、アタシの修行相手の人待たせませんか……?」
「大丈夫や、アイツ遅刻魔やし」
親指をグッと立てる
「俺たちは……「良いだろう、同行させてもらう……"
「それなら決まりやな!お気にの甘いもん屋あるから全員着いてきてやー」
オウドウさんの顔を伺うようにしていたジンガさんだけどその言葉を聞いて少し安心したようにほんの少しだけ表情を和らげている。
少し歩いて着いたのは京都らしさ満点の少しレトロなお店だ。
「おっちゃん、いつもの!ウチ奢るし嬢ちゃん達好きなん頼み!兄ちゃん達もやでー」
「この季節の果物添えクリームあんみつって美味しそうっぺ〜」
「私は遠慮しておく……甘い物は得意ではないからな」
「このかき氷で……メロンの奴」
「みんな普通に頼んでるし……じゃあアタシブルーハワイのかき氷!!」
優しそうなおじさんが持ってきてくれたのはトレイにのった冷え冷えの甘味たち……そして熱々の湯気が立ち上るお汁粉とみたらし団子。
「ここな、お団子絶品やねん。お汁粉も甘みがサラッとしててなー」
「
「お冷が冷たいからええねん!これで体内が整うんや」
「勉強になるっぺ〜」
「なるほど……」
「貴様ら、アレ適当言ってるだけだぞ……私でも分かったぞ、アレ」
オウドウさんの言葉に深々と頷くアタシ……うん、大分
しばらく涼んでいたら話題は自然と二人の関係の話になって行く。
「ほーん、つまり"
「どうも……ありがとう、ございます」
「私もコイツも……良いところで働かせてもらっているからな」
自慢げにしているとこの人はすごく残念に見えてしまう……顔は整っているのに。
ドヤ顔を晒している
「あっつぅーい、ほんと暑いよねー年々暑くてやになっちゃ……"
「なるほど……"アポロ"の予言は絶好調やな。"
「ごめぇぇぇん!!だって暑くてさー!!」
情けない声でペコペコと
「"
「こいつは"
「ねぇ紹介雑くない!!?」
「人畜無害付けてやっとるやろ!感謝せいや!!」
何ともいえない雰囲気になってきたけど……アタシ、このヘタレっぽい人と本当に戦わないといけないの?
「まあ、ちょうどええ。おっちゃんテーブルファイトして良かったよなこの店」
「ええよ、どうせお客さんはここまで足伸ばさへんし……一応人増えたら辞めてな」
「おおきに!良かったな、"
「……この人、強いんですか?」
「この子かー"
やる気満々にふんふんと鼻を鳴らしている
「地元で一番……だったら、油断なんてしてあげないんだから!」
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