役立たずを追放したら冒険しやすくなった
@kesuuso
第1話
「ガルド、お前は今日で首だ。さっさとここから去れ。」
その言葉で、俺は覚悟を決めた。
「はあ?なんでだよ。もう俺は用済みってか?後悔しても知らねえぞ?」
「うるさい。とっとと消えろ。」
そう言うと、こいつはこんな事を言いだした。
「俺がこれまでどんだけお前らに貢献してやったと思っているんだ?俺の補助魔法のおかげで、お前らはSランク手前までこれたんだぞ?俺がいなければお前らはそこらにいるFランクの奴らと変わらん」
こいつは一体、何様のつもりでいるのだろうか。ガルドは、女癖がひどく、訪れる先々の街で俺等勇者パーティーの名前を使って女遊びを繰り返していた。
そのたびに俺達はあいつの被害者のフォローをしたり、尻拭いで毎日休み無しで動き回っていた。
「何を言ってるんだ?お前はお荷物でしかないんだよ。希少な白魔道士だからパーティーに入れてやったのに、スキルのレベル上げもしないで、お前のスキルのバフはたったの0.3%だ。そのへんで雇った白魔道士のほうが、お前の何倍も仕事してくれる。」
すると、ガルドは、開き直って投げ出したような態度になった。
「わーったよ。抜けりゃいいんだろ、お前らとはこれでおさらばだ。最後に呪ってやるよ。《邪神の眷属よ、彼の者達の力を吸収し、成長を阻害せよ》カース!」
すると、体が重くなったような気がしたので、ステータスを確認すると、
レオン・リュート 勇者 Lv 1
HP 1500/1500
MP 3000/3000
ATK 777
DF 888
S 500
天使召喚 聖剣召喚 自動回避 魔特攻 起死回生
レベルが1になっただけだった。その他のステータスは変わらず、スキルが減るなんてこともない。
「どうだ、レベルを1にしてやった。正真正銘Fランクの実力になったな!ガハハ」
その言葉とともに、あいつはこの場をさり、二度と俺達と関わらないことになった。
あいつが去ってすぐに、無言を突き通していた仲間たちが俺の方に駆け寄ってきた。
「大丈夫かレオン!レベル1ということはステータスも下がったんだろう。無理する
な。」
「レオン君。今すぐ解呪するので待っててください。」
「レオン、これからは私が守ってあげるからね!」
「ちょっとまってくれ。レベルは1になったが、ステータスは下がっていない。このままで大丈夫だ。」
あいつには礼を言わないといけないかもしれないな。レベルが天井で上がらなくなって困っていたところにこれだからな。
「ステータスが下がっていないのですか?彼の力が足りなくて呪の一部の効果しか発揮しなかったのでしょうか。」
「レベルが1になったところだし、明日から白魔道士雇ってダンジョンでレベル上げするか。」
そう言うと、パーティーメンバーのみんなは安心したかのような表情になり、翌日のダンジョン攻略の準備に勤しんだ。
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