愛は要冷蔵ですー結婚編ー

夏目ことり

第2話

「んぅ…朝…?」


窓から差し込む光が見えて…は無かった。


ぼんやりと照らされる照明が、暗闇の中で光っている。


「水飲む?」


「ん…頂戴」


目は閉じたまま、私は手を伸ばした。


まだ片足を夢の世界に突っ込んでいる状態だ。


シルクのシーツの肌触りが気持ち良くて、頭の中がぽわぽわしている。


「芹〜まだ……んっ」


伸ばした手を掴まれ、芹の唇が僅かに開いた私の口を塞いだ。


ひんやりとした水が喉を潤す。


ついでに私の目も覚めた。


「てっきりペットボトル渡してくれるのかと思った」


「無防備だよ璃星」


とっくに水は無いのに、短い触れるだけのキスがくすぐったい。

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