三傑
第17話
***
翌日、私はどうしようもなく焦っていた。
私の手には2年生の学年カラーである緑色のネクタイが1本握られている。
そして目の前にあるのは2年A組の教室である。
私は今どんな状況なのかと言うと、簡潔に言えば藍が昨日私の部屋に忘れて行ったネクタイを教室まで届けにきている状況だ。
本当なら昨日の夜に気づいて連絡していればよかったのだけれど、そもそもネクタイの忘れ物に気づいたのは今日の朝。
そして、こういう日に限って私は夜にスマホの充電をするのを忘れていたらしく藍に連絡を取ることができなかった。
藍が今日1日ネクタイ無しで過ごせばどんなことが起こるのかを必死に考えてみれば、まずは先生から校則違反だと注意をされる。まだこれはいい
次に、家畜のくせに制服を着崩していると平民や神に絡まれる。これはまずい。
たかがネクタイ、されどネクタイ。
家畜は絡まれたらそれで人生終了といっても過言じゃない。
くっそ…藍のバカ!!!!いつもは忘れ物なんてしないのに、なんでネクタイを私の部屋で外してんのよ!!!
と、ひとしきり心の中で藍に文句を言ってからいつもより早めに寮の部屋をでたのが今朝の話である
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