第3話 僕の推しの子マフユ
「マフユ!」
僕は急いでマフユの住むツリーハウスへと向かいました。
「どうしたの? セリア。 そんなに息を荒くして」
僕がその場所に辿り着くといつもの静かな様子の彼女がいました。
銀髪で...幼くて...青目で...可愛い美少女が...。
「マフユ...。良かった...」
僕は彼女を抱きしめると、彼女は顔を真っ赤にします。
「えっ!? ちょっとセリア!? 急にどうしちゃったの!?」
設定上今の僕とセリアは10歳という事になっています。
それは勇者として生まれたメルも同じです。
これから村を焼かれて数年間の時が立った時から本格的にゲームが始まるので、今のこの場所はチュートリアル的な立ち位置の場所なのです。
どんなゲームでも主人公の村が焼かれるのはよくある話で今更感のある設定ですが、それでも勇者メルからすればとてつもない出来事だというのは理解できます。
なので余計に祭りまでもう少し期間があると言うのに勇者メルが誰も連れて行かずにさっさと村を離れたという事に納得がいかないのでした。
(ゲームだと祭りの最中に村が焼かれて、それから皆で勇者メルを逃すためのムービーになったんだよね)
それが変わったという事はどこからか魔王軍に情報が漏れたか、もしくはこの世界はあくまでゲームを模倣しているだけでゲームと全く同じという訳ではないのかもしれません。
僕がそう思っていると...。
「セリア...そろそろ苦しい...」
「えっ!? ああ! ごめんごめん!」
僕はマフユを解放すると彼女は苦しそうに咳を混むのでした。
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