放課後、公園ーーー。



「あー!もうムカつく!」

俺は苛立ち紛れに、芝生を蹴飛ばす。

「なんでだよ…」

俺は公園のベンチに腰掛ける。

「何で伝えられねーんだろ…」

公園に静寂が流れる。

空を見上げしばらくの間、じっとしていると

遠くから足音が聞こえてくる。

「はぁ〜疲れたぁ……」

聞き覚えのある声だ。

「あれ?」

声に反応して振り向くと、

見覚えのある顔でこそあるが

茶髪にボブカットという点だけは

記憶と違う。

そこにいたのは

幼馴染の結梨(ゆり)だった。

「結梨……」

「え……」

俺と目が合うと、結梨は目を見開いた。

「お、おう。久しぶりだな……」

「う、うん」

とんでもなく気まずい雰囲気が流れる。

違う高校に進学したのもあって

最近は会えていなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る