第2話 女子高生は魔法少女になる
「ほぉ、あなたが侑里の友人の
目の前には怪しげなサングラスをかけた男性。そしてその周囲に控えるメイド。翌日、私は面接にきていた。
「現役女子高生ねぇ、いいじゃん」
これやはりよろしくないお店なのでは? つい眉をひそめる。お店の雰囲気は普通の喫茶店だったのに、今この状況この空間がよろしくないものに見える。特に後ろのメイドの鋭い視線で。
「それにこの辺りで澁谷ねぇ……お父さん、澁谷
「ち、父をご存じなんですか?」
「うん、もう何年も前のことだけどご縁があってねぇ。亡くなったって聞いてたけど」
「私が3歳のときなので12年前です。今は親戚に引き取られたのですが苗字はそのままでいていいって言われて……」
父を知っている人がいた。覚えてくれてる人がいた。それがなんだか嬉しくて、私は膝の上でこぶしをぎゅっと握る。
「ふぅん……そっか、条件面は侑里から聞いてる?」
「時給が2000円、制服が支給、髪形は皆共通と聞いています。」
「うんうん、大体それであってるよ。それで、みんなはどう思う?」
くるりと、サングラスの男は後ろを向く。ただメイドを侍らせていたわけではないらしく、面接官だったようだ。
一度こちらをじっと見つめ右側のメイドが口を開く。
「そうですね、運動神経も良さそうですし、異存ありません」
「うちは反対! JKなんでしょ? うちらみたいに大学生やフリーターじゃないからシフトの自由度がだいぶ低いじゃん」
左側のメイドは口をとがらせながら不満げに述べる。
「ああそうだ、シフトってどのくらい入れる?」
「ええと、扶養の範囲内で……。平日は16時から19時まで、土日は開店から19時までの間でしたら大丈夫です」
「うん、そのくらいのシフトなら大学生の子でもいるから問題ないね」
「それじゃあ……」
「これからよろしくね、澁谷さん」
私はつい頬をゆるませる。
が、その直後、聞こえてきた言葉で硬直することになる。
「じゃあ、さっそくだけど澁谷さんはどんな魔法少女になりたい?」
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