人に気づかれるな? 

池尾雉兎

「死ぬな!」

それがジジイの遺言だった。最後は人間に引っこ抜かれて生きたまま食われてた。

その人間の言っている言葉は何かわからないが、めっちゃ嬉しそうな感じで

「やったった!がはは!」

とかなんとか音を発している。俺のジジイを返せとも思ったがそんときにはもう殺されてたしこれが食物連鎖かと理解した。だからこそ怒りは少ない。そこは人間と変わらないと思ったからである。

なぜなら、俺も捕食のとき生き物を食べるからだ。ただ人間達の悪いところは、食べれる部位を残すことだ。全て満遍なく食べるのではなく、食べられる身や骨を捨てたり内蔵を捨てたりと、こちらからしたらエサが増えてありがたいことではあるが、そんなに捨てられるのであれば俺たちを捕るなと思う常日頃、そんなこと考えると、考えてることがバカらしくなってしまい地面を這いずり回った。そして、エサを発見した。そのエサは赤色で海老の形をしていたから

「海老だ~」

と思って近づき噛みついたら

「がしっ」 

あれ無味無臭じゃん!Σ( ̄□ ̄;)

それとなんかついてて、口がエサからはずせなくなった。

よく見てみると、針ついてた~!?(゚_゚)

これ人間の罠だった。ヤベェ~!?

そんなこんなで人間と格闘していると俺が負けた。近くにいた仲間にはジジイよりすごいこと言ったろと思って

「人間、皆殺しにしてくれ」

って頼んで釣られました。

最後に俺の墨で真っ白な靴汚してやったぜ。

ジジイの二の舞だなと思いつつあっさりと食われたけど。

ちなみに今回の人間はちゃんとエンペラとか食べてくれる人だった。優しいのか?

最後の方になると

「美味しい、美味しい」

って聞こえてきた気がして誇らしくなってきました。

めでたし、めでたし?


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「なんだその話w

ちなみにこれなんの生き物なん?w」

「イカw」

「イカか~確かに生きたまんま食うときもあるのかな?いや、ないと思うよw?」

「それがあるんだな~wイカの活け造りっていうやつがあるんよw」

「はぇ~、今度食いに行けたら行くか!!」



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ニュース


リポーター「この秋イカが大量発生して船が何隻も沈められています。今までにした仕打ちの逆襲でしょうかw?」

カメラマン「リポーター、後ろ!!後ろ!!」

リポーター「え?…」


プツン…


スタジオ内


キャスター「やばないっすか?あれ、ほんまにイカの逆襲やないっすか、笑えへん、」


この日20xx年地球が終わった。

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人に気づかれるな?  池尾雉兎 @banana0414

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