孤独な人

J.F.K

第1話孤独な夜

なんて、寂しい夜なんだろう、誰もいない、だれも相手にしてくれない。月は、黙って僕を見つめていて、何も語ってくれない。こんな夜は、彼の娘の事を、想いだそう。作りものみたいな、その美しい顔、そして、おとなしい性格。君はその存在だけで、男達を本気にさせる、ほんと、罪な娘だ。でもまだだれの事も、好きになった事は無い。僕とは友達関係で、色々悩み事を聞いたもんだ。僕の車に乗るのが好きで、よく、レインボーブリッジに、行ったもんだね、そんなに親密な関係でありながら、男女の関係とは程遠い関係だった。僕も、その美しい唇に、触れようなんて、思ってもなかった。ただ君が可哀想でならなかった。罪なくらい美しい君は、ただ歳上の僕に、甘えていた。彼女は、父親が経営してる会社の事務員をしていた。会社は、右肩上がりで、何の心配も無かった。たまに彼女の家で夕ご飯をご馳走になった。よく、彼女の親に、君みたいな男なら、娘を嫁にだしてもいいんだけどな、と言われたものだ。でも残念ながら2人は、友達だった。あなたといると安心できる、と、彼女も言っていた。クリスマスは、必ず2人でパーティーをしたもんだ。完璧に見える彼女にも弱点があった。すね毛だ。エステでも通えばいいのに、自分で処理するしかなかった。そのせいか、いつもロングスカートだった。美しい彼女は二物を与えられた。そんな彼女の事を嫌いではなかった。でも一線は、こえられなかった。そう何よりも、大切にしたかったからだ。

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