第31話 推しからのまさかのおねだり…?
大変、満足な朝食のあと、キッチンで片付けをしようとする葵を何とか宥め、俺は片付け、もとい洗い物を処理していた。
言っても、スポンジである程度洗って、洗い流し、食器洗浄機に放り込むだけなのである。
なのに、葵は終始そわそわとしていた。
「葵、この後帰るのか?」
「……ここに居ても迷惑ではないですか…?」
恥じらうように、上目遣いで聞いてくる。ただでさえ、超絶美少女なのだ。こんなポージング&上目遣いとか全男子高校生―全男性が悩殺されそうなレベルだ。控えめに言って可愛すぎ居る。
「迷惑とか思うわけねーだろ」
「そうですか…」
少し考える素振りを見せる。
「じゃあ、今日も泊まってもいいですか」
………は?何を仰っているんですか、お嬢さん?これ、OKすべきなやつなのか?いや、絶対ダメな気がする。結論は―
「それはダメです」
「むぅ」
葵が唇を尖らせ、不満げな声をあげる。うん、控えめに言って可愛い。
「不満げな声出してもダメです」
「何でですか…?」
「女の子が男の家にホイホイ泊まっちゃいけません」
「えー。けち」
可愛すぎてOKしそうになるが…しかし……。
「さすがに2日連続で泊まるのはダメですね。揶揄ってすみません。」
揶揄ってただけならよかった…。(OKしなくて)
「今日は何して過ごそうか」
「あれ、してみたいです」
指さしたのは、テレビ台にある携帯型ゲーム機である。
「いいぞ」
俺は、立ち上がりゲームを起動する。
最初にプレイするゲームはアリオである。
チュートリアルを選択して、コントローラーを葵に手渡す。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
葵はどうやらゲームが苦手―言ってしまえば、絶望的なまでの下手らしい。
最初の敵であるクリボーにやられている。いくら何でもそこで躓くやつ初めてみたんだが…?
「むぅ…難しいです…」
「おう、頑張れ」
まあ、一応クリボーは倒せるようにはなったのだが、パックンは無理なご様子。
1時間後、葵にアクションゲームは不向きという結論が下されたのは言うまでもないだろう。
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