隣に住む同級生が実は推しのVtuberだった件。
Morning
第1話 隣人との出会い
「………何してるんだ?」
夜、散歩をしていて、ふと公園を見ると、俺―
「…お気になさらず。」
そう答えたのは、同級生でマドンナ的存在の
翔と葵は同じマンションに住んでいて、尚且つ隣の部屋でもある。
しかし、一度も話したことは無い。なぜなら、マドンナとは言われているが、今の反応からも分かる通り、一度も話したことがない。隣の部屋に住んでいるから仲良くなれるわけではないのである。でもさすがに、ここまで悲壮感漂う背中を見せられたら、放っておけなくなった。
翔はいわゆるお人よしというやつなのである。
事情を話してくれるとは到底思えないのだが、形式として聞いてみた方がいいのだろうか?
「何かあったのか?」
とりあえず聞いてみた。
「……お気になさらず。」
予想通りの返答が返ってきた。どうしよう。とても気まずい。帰りたい。どうしたらいいかをヤ〇―知恵袋とかに聞いたら2秒以内に返事が来るとかないかな。
―とりあえず聞いてみた。
2秒後、スマホの画面を見る。当たり前だが、回答は0件だ。
どしよ?
「そうか。じゃあ、帰るわ。」
といって帰ることにした。他にどうしろと。話した方がいいのだろうけど、コミュ障陰キャをな舐めてもらったら困る。要するに女の子が怖いのだ。(ヾノ・∀・`)ムリムリ。
どうするのが正解だったのかを悩みながら帰っているとあっという間に家に着いた。
家について5分後くらいに隣の家主が帰ってきたらしく物音が聞こえた。
よかった。一応暖かくなってきたとはいえ、冬だぞ。風邪ひかれたら困る。
さて、明日は始業式だし、そろそろ寝ますかね。
お、推しの「神薙葵」が配信をしているぞ。見てから寝よ。寝る準備をしながら配信を見ていると、何やら困っている様子の声が聞こえる。
すると、その5秒後くらいに何の前触れもなくインターフォンが鳴った。
こんな時間に一体誰だと玄関へ行ってみると、お隣さんの姿があった。
一応補足だが、この部屋は角部屋でお隣さんは1人しかいない。
「助けてください。」
そう言いながら手渡してきたのはノートPCだった。
「は?」
当然こうなる。映っているのは配信画面だ。
要点をまとめるとこういうことらしい。まず葵は配信者で、ゲームの配信をしていたところ、画面が全く動かず、訳が分からなくなってしまったらしい。で、聞く人も思い当たらず、隣に住む俺に持ってきたというわけだ。
活動名を見てみると、何と先ほどまで配信を見ていた「神薙葵」その人だったのである。
もしかしなくとも今、推しと2人きりってこと…?ヤバ。サインとかもらえないかな…。
動揺を悟られないように、
「……わ、わ、わかった。じゃあ見てみよう。」
よし、動揺は悟られてないはず。ないよね?俺はとりあえず、PCを再起動してみる。
すると治った。
「固まったら再起動してみろ。そしたら大抵のことは治る。」
というと、彼女はなぜか恥ずかしくなったらしく、顔を真っ赤にした状態でペコっと頭を下げえて部屋に戻っていった。なんかかわゆい。小動物みたい。
彼女が去り際に、
「ありがとうございます。」
そう、聞こえた気がした。
でも気づいた。これってPCを見たっていうのか?
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