第二十四章

 第二十四章


珍しくアレンの父親も帰ってきていて家族揃っての夕飯になった。

「コナリーさんの娘さん、留学するそうじゃないか」

父親が話している。

「編入試験通ったって話していたけど、とても難しい試験なのだそうよ」

「かなり優秀だとは聞いてはいたけど…凄いね」

アレンは黙って食べながら両親が話すのを聞いていた。

「アレンは寂しくなるわね。クラスでも仲良しなんでしょう?」

母親がアレンにポテトサラダを盛りつけながら話しかけてきた。

「うん…まぁね」

アレンは生返事をして、母親が盛りつけてくれたポテトサラダだけを食べると他は食べずに立ち上がった。

「ごちそうさま」

「あら、もういいの?」

アレンは頷いて自分の食器を洗った。

いつもなら母親に言われて渋々入るお風呂も今日は自分からサッサと入って部屋に戻った。


エレキギターをアンプを通さないで、しばらく弾いていた。

弾き終わってエレキギターをケースに仕舞ってからベッドにゴロンと横になった。


突然、友達が二人も遠くに行ってしまう。

めちゃめちゃ寂しい。

でも、皆それぞれ自分の将来の目標に向けて行くんだ。


僕は?

ロックバンドのギタリストになりたい。

だけど、ギターを始めたのは最近だし、まだまだ練習していかなくちゃいけない。

ロックバンドだってロバートと組むっていう話も漠然としている。

僕は、これから、どうすればいいんだろう…。

何か、とりあえずバンドを組んだりセッションライヴをするにしても僕自身は、楽器が出来る友達はいないから何もツテはない。

この間のセッションライヴだってロバートがヴォーカルの、お兄さんを連れてきてくれてパパがドラム叩いてくれたけど…

パパだって仕事があるから、毎回巻き込むワケにはいかないし。

僕は、どうすればいいんだろう…

アレンは考えながら、そのまま寝入ってしまった。




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