第6話 入学試験
「ロイドから君はもう、一般五大元素魔法のすべての属性を使えると聞いているが、本当なのか? 」
「下級ですけど一応使えます」
「少し見せてくれないか? 単純にすべての属性が使えるというのに興味がある。では、ここでやってもらうか」
そうローズベルトさんが言うと、杖を取り出して何やら呪文を唱え始めた。すると僕の周りに結界が張り巡らされた。
「うわっ」
僕は驚いてしまった。
「結界魔法は初めて見たのかな? まあ、この中だったら中級までなら全然耐えれるぞ。じゃあ火属性から順に見せてくれるか? 」
「はい」
僕は杖を結界の壁に構えて炎をイメージする。そして、
「
しっかりといつも通りの魔法を出した。
「続けて頼む」
「わかりました」
次に水のイメージをして・・・・・・
「
「
「
「
そうやってすべての属性の下級魔法を披露した。
「おお、これはこれは見事だ。五つもの属性を操る魔法使いなんて聞いたことがない。これはロイドがここに入学させようとするのもわかる」
何やら一人で頷いている。すると結界が解除された。
「いやはや、ここまでの実力者だとは・・・・・・よし、入学試験は合格だ」
「入学試験? 」
「あれ? ロイドは言ってなかったのか? 私がこのフェリシネス魔法学園の副学長だと」
「そんな話聞いていませんよ!? 」
「私はさっき・・・・・・いや、言っていないか。まあなにはともあれ、改めてようこそ、フェリシネス魔法学園へ」
そうして僕の魔法学園での生活が始まるのだった。
「といっても、一応義務教育の部分や魔法についての知識をこちら側も知っておかなければいけない。明日、ここの入学試験と同じものをやってもらうがいいか? 」
「はい、頑張ります! 」
帝国最高峰の魔法学園の入試問題なんてどんなものなのだろうか・・・・・・期待を裏切らないためにも頑張らなきゃ
僕はその後、応接間をあとにして学生寮に案内された。学生寮と言っても部屋は一人部屋だった。ベッドと机、それに本棚と質素ながらもきれいな部屋で、僕が今まで見てきた宿の中で一番きれいな場所だった。
僕はいままで村以外のところに行ったことがなかったから本当に変な感じだ。僕が本当にこんなところに居ていいのだろうか・・・・・・
持ってきた少しの荷物を広げて整理をする。本棚に魔法書を並べて、服をタンスにしまう。やることが終わって明日のために魔法の基本が書かれた本を読んでいると、部屋の天井にある魔法陣から声が聞こえてきた。
「夕食の時間です」
夕食!? 窓の外を見てみるとたしかに外は真っ暗になっていた。部屋が明るいので気づかなかった。これは光属性の魔法なのかな? そんなことを考えながら部屋の外に出た。 廊下にはたくさんの魔法学園の生徒と見られる人がいた。
とりあえず何もわからないので人の流れに乗って食堂と思わしきところに行く。そのまま廊下を歩いていると、
「君がアレイ君ね、私は寮母のマリレーナよ。よろしく」
「お世話になります! 」
話しかけてきたのは寮母さんだった。見た目は三〇代くらいの若い人で優しそうな雰囲気をまとっていた。
「それじゃあ、まずは夕飯を食べてきなさい。部屋は紹介してもらったわね? 後でこの寮のルールについて話すわ」
そうして僕は早口で一気に情報を流し込んでくる寮母さんにいつの間にか席につかされ眼の前に沢山のご飯が置かれた。
「さあ、まずは食べないとね! しっかりと魔力を回復させるためにも食べて寝る! 」
「い、いただきます」
◇◆◇
あたたかいご飯をしっかりとお腹いっぱいになるまで食べた僕は寮母さんの応接間らしき場所に連れて行かれた。
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