第12話 「早我見」と【宿世渡】②
弓丸の話によれば、
「
確かに、あの
「
「もう一人の、自分……」
瀬名たちを助け出したい。
「宿世渡の出どころについては、元々京都の方にあった、ということだけが分かってる。それ以上のいわれに関しては、残念ながら不明だ。早我見の
「あの、さっきから言ってる "早我見の
「僕の母方の
「へぇ……」
弓丸が彼を語る表情には、
「でもさ、弓丸……仮にそうだとして、八百年も前の早我見家と私が
「そこなんだ。これまで、僕はそんなはずがないと思っていた。でも、実際に宿世渡は憑いてしまっているわけだし、君が早我見の血を引いていると考えるしかないだろう。もっと気にかけていればよかったんだが……ヤドリ
「だ、大丈夫だって」
弓丸がもう一度頭を下げる。だから、そう何度も謝られると困るのだ。
「……もしくは、〈早我見〉という姓であれば、血のつながりとは無関係に発動するものだったのかもしれない。僕の血を混ぜてしまったことがきっかけで、半分目覚めていた〈宿世渡〉を完全に起こしてしまった、という可能性も高い」
「なるほど? そういえば、あの
「そう言われちゃ弁解のしようも——って」
「み、見てたの?」
「言ってなかったかしら。私、
「そ、そうなんだ……」
「……なかなか
私は弓丸と顔を見合わせた。
「レアル、あんまよく分かってないんだけどさぁ……まぁ、その、スクセワタリ、か? そいつがサガミンに取り憑いちゃったんだとして、だ」
話がひと段落ついたことを察して、
「それで困ることがあるかって言われたら、そういうわけじゃないんだろ? なんか、色々パワーアップさせてもらえてラッキーって感じじゃん。さっき聞かせてもらったけどさ、サガミンが腹に
「……
そう返した弓丸は、浮かない顔だった。もちろん、元に戻ればいいというものではない。そう簡単に自分を傷つけるようなことはしてはいけないと思っているし、
「ねぇ、弓丸……」
「多分だけど、まだ言えてないこと、あるよね」
「……でも」
「教えてよ。どんな事実でも受け止めるから、全部聞かせてほしいの。そうしないと、私、落ち込むことすらできない。知らなきゃ前に進めないよ」
弓丸が
そのままむにゅっと押してみる。
「にゃ、にゃにを」
「……あはは、やっぱり可愛い」
「うぉら、僕を子ろも扱いするりゃ……っ」
ぱし、と手を払って弓丸が頬をさすった。そんな様子を見て、而葉さんがうふふふ、と含みありげに笑う。稀瑠はべ、と舌を出して、何か暴言とツッコミの間くらいの言葉を口走っていた。
「大丈夫。私、弓丸がやってきたことを責めたりなんかしない。弓丸が私にしてくれたことは、全部その時の最善だったって思ってる。この刀を渡してくれたことも、血を混ぜて助けてくれたことも、
「……そうか。知らないってのは、
弓丸がソファからひょいっと降りて、私の前で振り返る。肩にかかる黒髪、水色の水干、
「
どくん、どくん、と
「それは、
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